同じ1リットル150円のお茶を売る、飲料会社は儲かるの?
それでは、150円のペットボトルのお茶を製造・販売する会社は儲かっているのでしょうか?「お~い お茶」などのお茶を製造・販売している伊藤園(2593)の売上高と営業利益の推移を見てみましょう。前掲の出光興産のグラフに重ねて表示しています。
このグラフからわかるように、伊藤園の売上(棒グラフ)は、出光興産よりずっと小さな金額です。また、営業利益(線グラフ)も同様に、出光興産よりずっと小さな金額になっています。ただ、伊藤園の営業利益の方が出光興産の営業利益よりも安定して推移しているようです。
このように、売上や営業利益の金額では負けている伊藤園ですが、利益率で比較すると、少し違った側面が見えてきます。
両社の原価率を比較してみましょう。
さきほど見たとおり、出光興産の原価率は90%を超えているのに対し、伊藤園の原価率はたった50%程度です。
その結果、諸経費(販売費及び一般管理費)を差し引いた後の営業利益率は、次の通り、伊藤園の方が高くなっています。
つまり、伊藤園は出光興産と比べると、売上や営業利益の絶対額は伊藤園の方が少ないですが、原価率を大幅に低く抑えている結果、営業利益率は伊藤園の方が高くなっています。
「ガソリンよりお茶のほうが(営業利益率の点からは)儲っている」といってもよいでしょう。