勝つことより負けることを意識すると柔軟な対応が可能になる
自分だけが努力したりがんばることで投資の勝率が上がるのならいいのですが、投資の難しさは「自分以外の理由」に大きく依存するということです。海外の経済情勢、たとえばテロなどを個人が回避することは不可能です(投資をしない、という回避策しかない)。投資先が国内であってもたくさんの企業の努力や失敗を一個人がどうこうすることもできません。大きくなってきた子どもは、親の思うように動いてくれなくなります。親の管理下にあっても、親の期待通りにしてくれたり、親が困るような悪行を働いてきたりします。自分がすべて投資を管理できないのは同じようなものです。
子育てで、病気やケガなどのアクシデントに備えておくと、もしものときにすぐ対応できるように、投資においてもうまくいかなかったときの対応を考えておくほうがいいのです。
投資で損失が生じたとき「どの程度までの損失は受け入れられるか」はうまくいく可能性を考える以上に考えておきたいものです。日本の株式市場に投資をするなら年率20%くらいの値下がりまでは許容する、とかイメージを作っておくのです(実際問題、それくらい覚悟すべきです)。
また、元本割れをしたとき「手放してしまう(売る)」のか「様子を見る(そのまま)」なのか「あえて買い足す(安く買える好機とみなす)」かどうか、投資方針を考えておきます。
下がってから初めて慌てるようでは投資初心者です。投資のベテランほど、下がったときの対応がイメージできていますし、落ち着いて行動します。
投資においては、自分だけが最後の味方になります。ぜひ「勝ったときのことより、負けたときのことを考える」を心がけてみてください。