誰もが投資では勝ちたいが
誰もが投資では勝ちたいと願います。指南書もまた勝つための方法をいろいろアドバイスします。投資初心者ほど勝つための方法を学ぼうと必死になります。たくさん本を買ってみたり、セミナーに通ってみたりします。
教えるなら当然勝ち方を教えてくれるわけで、負け方指南がないのは当たり前のように思えます。
実はマネーハック的視点でいえば、これは初心者の発想法です。考えるべきなのはむしろ「負け方」なのです。投資では負けたときどうするがとても重要です。
逆転の発想で、お金の新しいヒントをつかむ3分間マネーハック、今回は「投資で勝つより負けることを考える」話をします。
勝てると思い込むほどに足をすくわれるリスクが高まる
投資において必勝はありません。リスクというのは不確定であるからこそリスクだからです。それにもし、必勝である場合は、皆がその商品を買いたいと希望するため値上がりし、結果として利回りは低下します。必勝であるかのようにあなたにささやく営業マンが、「安全で高利回り」という、なにやらあやしげな商品を提案してきたらそれは詐欺を疑うべきでしょう。
必勝ではない投資の世界において誰かから投資を学び、もし必勝を感じたとしたら、あなたは指南してくれる人を疑うことを思考停止し信任過剰の状態に陥っています。信じることで必勝になれば苦労しませんが、そんなことはありません。むしろ「信者」になることはあなたの投資を危うくすると考えてください。
自分自身の技量に自信を深めて勝利を確信するようになったら、こちらはオーバーコンフィデンス(自信過剰)の状態です。投資においては自信過剰がパフォーマンスを上げるのではなく、むしろ下げる可能性が高いことが明らかになっています。行動ファイナンスの研究でも同様です。
いずれのパターンでも「勝てるという思い込み」が足をすくわれるリスクを高めているのです。