マレーシアで焼き麺は、おもに4種類の麺を使う
ジュッジュッと油が跳ね、カンカンとお玉がフライパンにあたり、ゴォゴォと音をたてる炎。職人が豪快に焼きそばを作っている姿は勇ましい
ソースの香ばしさがたまらない焼き麺。強火で一気に炒めてカラッと仕上げるのは、プロならではの技。マレーシアの焼き麺に使われる麺は、おもに4種類。ベトナム料理のフォーと同じ米粉で作ったクイテオ。中華麺としてよく知られている卵をねり込んだイエローミー。うどんにそっくりの太麺、ホッケンミー。そしておなじみのビーフンです。
これらの麺料理が食べたいなら、迷わず屋台にGO! レストランでも提供していますが、屋台のほうが本格派。なぜなら、屋台は1つの料理しか扱わず、その料理を長年提供し続けている専門店だから。歴史ある味をたったの200円以下で食べられるなんて、マレーシアボレーなのです!
※マレーシアボレーとは「マレーシアは何でもできる!」という意味のフレーズ。マレーシア政府がうちだしたキャンペーンの標語。
人気No.1。チャークイテオ(炒〇條 ※〇は米偏に果)
チャークイテオ。チャーとは、中国語で“炒める”ということ。マレー系の屋台になると「クイテオゴレン」という名前になる
マレーシアで1番人気のある焼き麺といえば、チャークイテオ。もちもち、つるつるの食感の麺で、特製チリペーストでしっかり味つけ。コクのある甘辛な味です。具が多いのも特徴で、ぷりぷりの海老、濃厚な赤貝、もやし、卵。こだわりの店になると、カリカリに揚げた豚の脂身や中華ソーセージも入っています。「チャークイテオ/炒○條 ※○は米偏に果」と看板のある中国系の屋台で、一杯4リンギ(約120円)ぐらいでいただけます。
辛いからうまい。ミーゴレン(Mee Goreng)
ミーゴレン。ミーとはマレーシア語で麺、ゴレンとは炒めること。インド系屋台で食べることが多い
マレーシアの焼きそば、ミーゴレン。日本ではなぜかインドネシア料理というイメージがありますが、マレーシアでも非常にポピュラーな料理です。弾力のあるイエローミーを特製のチリペーストで炒めます。この料理、かなり辛いです。お店によって辛さの濃度は様々ですが、辛いほど本格派と思ってマル。辛さをやわらげてくれる卵の存在の大きさに驚かされます。ライムをきゅっと絞って、爽やかな酸味とともにどうぞ。「Mee Goreng」と看板のあるインド系の屋台で、一杯4リンギ(約120円)ぐらいでいただけます。
濃厚焼うどん。ホッケンミー(福建麺)
ホッケンミー。真っ黒なソースがたっぷり絡み、艶やかな見た目のホッケンミー。なぜか夜に食べることが多い
真っ黒な見た目はインパクト大。でも食べてみると、意外にホッとする味で、鰹節でもかければ、日本の焼うどんにそっくりです。真っ黒なソースは、オイスターソース、中国醤油。マレーシア人のシェフいわく、マレーシアでは“黒くてピカピカしている料理が人気”だそうで、中国醤油であえて黒い見た目にしています。具はイカやエビなどの海鮮。隠し味でイカスミを入れている店もあります。ちなみに、ペナンで提供しているホッケンミーはこれとは別物で、スープたっぷりの海老麺が出てきます。地域によって、名前が同じでも別の料理のことはマレーシアではよくあることですなんですよ。「福建麺」と看板のある中国系の屋台で、一杯4リンギ(約120円)ぐらいでいただけます。
爽やかな味。ミーシア(Mee Siam)
ミーシア。空港にも入っているマレーシア発の珈琲専門店「オールドタウン」で提供。自家製ソースがけっこう辛い。
ビーフンを使った焼き麺は種類豊富にあり、今回はミーシアを紹介します。シアとはタイのことで、タイ風の焼きビーフン。炒めるときにレモングラスを一緒に入れることで、香り高い爽やかな風味に。海老、卵、もやしと具はシンプルです。冷めてもおいしいので、惣菜の並ぶ屋台でおかずの1つとして並んでいることも多いです。あっさりしているので、肉や野菜などおかずとの相性も抜群!「Mee siam」と看板のある中国系の屋台で、一杯4リンギ(約120円)ぐらいでいただけます。