注文住宅/家づくりを始める前に・心構え・トレンド

「消費税8%後」こんなに変わった、家を見て知る場(2)(2ページ目)

前回は、消費税8%の潮流としての「商品」に焦点を当てて紹介しましたが、今回は「場所」に焦点。これまで一般的だった総合住宅展示場のみならず、単独ショールームや体感施設など様々な手法で「場所を使った集客」を打ち出しています。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

多層階をじっくり知る専用ショールーム

ビューノプラザ

7階建ての構造や暮らしを実感できる「ビューノプラザ川崎。今後の首都圏に展開。

工業化住宅で初の7階建て「ビューノ・セブン」をリリースしたパナホームは、都市部の防火地域を中心に多層階戦略営業拠点として「ビューノ プラザ」を展開予定。その第一号が川崎ミューザ内にオープンしました。情報発信やカンセリング、イベントやセミナー、コミュニティづくりの拠点として、地域密着型営業を強化していく予定。

賃貸仲介店舗もシェアする時代

旭化成

キャンペーンガールを招いてのショールームお披露目

旭化成不動産レジデンスは、賃貸入居募集代理店ネットワークブランド「ヘーベルROOMS」のアンテナショップとして、新宿駅近に第一号をオープン。グループ建築会社・旭化成ホームズが建築した「ヘーベルメゾン」などの管理物件を入居者に紹介する店舗。同社の募集代理店である(株)ニチワとスペースをシェアする賃貸仲介店舗としては珍しい同居シタイル(同社関係者)といいます。

さて、こうした「独自の施設」への誘導は、何を物語っているのでしょうか。大手ハウスメーカーをはじめとする営業の主戦場は長く、総合住宅展示場でした。今もその流れは健在で、各社最新かつ最豪華なモデルハウスを建てて競い合っていますが、競争が厳しくなり、「モノ言わぬ立派な家」だけで「お客様が足を運んでモデルハウスの玄関ドアを開いてくださらなければ」コトも始まらない…という限界が出てきた面もあるでしょう。

独自施設で企業カラーつかみやすく?

CG

自分や家族が入り込んだCGを皆で見ることもできる

単独展示場や街かどモデルハウス、技術を紹介する工場施設など、総合展示場以外に独自の施設に誘導する手法はもちろん以前からありましたが、単に単独の拠点をつくればいいということでなく、各社の積極的なオリジナルカラーが出てきているのは、やはりこの「消費税8%後」に備えてのことと考えられます。

従来からある入口としての総合展示場に加え、営業や設計・工事・コーディネーターによるチームの提案体制と、独自施設による提案ツールの三つ巴で、より分かりやすい提案をしていこうという業界の流れ。住宅取得者にとっては、展示場で林立するモデルハウスに混乱することなく、そのあと各企業のオリジナルカラーを把握しやすくなったという意味で活用の幅が広がったといえるでしょう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます