「消費税8%後」の大手各社の流れを見ていると、これまで以上にマーケティングに力を入れていることがうかがえます。マーケティングで有名なフレームワーク4Pで考えると、これまで核ともいえた「商品(Product)」「価格(price)」「宣伝(Promotion)」での注力に加えて、「場所(Place)」でのテコ入れも目立った2014年上半期。長らく集客の場所として主流だった総合住宅展示場に加えて、企業単独による様々な独自施設が首都圏でもオープン。一部を紹介します。
注文住宅を「試着」できる体感施設オープン
はじめにナビゲーターが家の試着ツアーを説明。アトラクションツアーさながら??
ダイワハウスは東京・水道橋にある東京本社施設内に戸建体感施設「TRY 家 Lab(トライエ・ラボ)」をオープン。コンセプトにある「試着」について、「みなさんは服を買うときに試着するし、車は試乗してから買いますよね? 一生に一度の大きな買い物である住宅も試着出来る場を提供したかった」と同社。
各種商品の構造躯体を一挙に展示したり、結露防止などのテクノロジーを比較体感するスペースはよくありますが、同社が日本初と誇るヴァーチャル技術を使った間取りの提案などをガイドも体感してみようと見学してきました。
専用ヘッドマウントディスプレイを装着すると、自分がCGの中に入り込める?!
「住まいの疑似体感」スタジオ「トライエ ヴァーチャル」では、キャノン(株)が提供する3D映像技術「MR(Mixed Reality)技術」を用い、専用のヘッドマウントディスプレイを装着すると、提案されている間取りの中に自分が入り込み、顔をあちこちに向けたり歩き回ったりすることで、動きに応じて家の中や外の様子が見えます。
まるで自分が家の中で動き回っているように見え、実際の部屋の広さや内装の色合いを体感でき、色を変えることも可能。このヴァーチャルな家の前に家族で記念撮影したり、疑似体感中の映像に自分や家族を映し出すことも可能に。
自分が家の中を動き回って「試住」できる
「あ、私があそこにいる!」と住宅CGの中に入り込んだイメージ
建設予定地をインプットし、季節や1日の時間帯による陽射しや日の入りの変化や間取りの変更もその場で反映させることも可能。「いよいよここまで来たか」と思わせる最新アトラクション的家づくり。展示場めぐりで飽きてきた幼児や少し上の中高生のお子さんでも、これなら飽きずに一緒に家づくりを考えてくれるかもしれませんね。
阪神大震災の揺れを震度・映像・音で体感。棒につかまれるが「立っているのも大変」という体験者の声も。
また、地震体感シミュレーションも見もの。同社は「多くの人は大震災が起こると直後は意識が高まりますが、どうしても月日とともに希薄化していってしまう。それはご自分がその揺れを体感していないから。実際に自分の体で体感してもらうことで耐震性への意識を持ち続けていただければ」と同社。
阪神大震災でJR鷹取駅で記録された観測史上最大の地震波(震度7相当)を、揺れだけでなく映像や音とともに体感でき、実際に住んでいる(新築予定地)付近で将来発生する可能性の高い地震の大きさを体感することもできるそうです。