と言う事で、今回は2014年4月スタートのドラマから、R50&舞台出身の俳優さんをPick Upし、何故彼らがテレビの世界で重用されるのか「演劇オヤジ」の魅力について徹底解剖しちゃいます!
パクチーの様な存在感 吉田鋼太郎
警察社会の男たちを描いたミステリー『MOZU』
その中で「演劇オヤジ」として特に異彩を放っているのが『MOZU』に中神役としてご出演の吉田鋼太郎さん。ハイ、何とも言えない嫌ぁな威圧感で長谷川博己さん演じる東にビッタリくっついていたアノ人です。吉田鋼太郎さんは1959年生まれの55歳。大学卒業後に劇団四季やシェイクスピア・シアター所属を経て1997年に劇団AUNを結成。自ら座長を務め、シェイクスピア劇やギリシア悲劇等の上演を続けながら、蜷川幸雄演出作品等の大舞台にも多数出演しています。
同じく4月スタートのNHK朝ドラ『花子とアン』では石炭王・嘉納伝助役を演じている吉田さん。和食の中に放り込まれたパクチーのような絶妙に「……うわぁぁ」な感じがツボ!という方も多いのではないでしょうか。ある種ねっとりとした台詞回しと声の圧で”色々困ったオジサン”を演じさせたらとんでもない存在感を発揮する「演劇オヤジ」の1人です。
ビジネスと野球のストーリーがリンクする『ルーズヴェルト・ゲーム』
不気味から熱血まで 手塚とおる
昨年夏の大ヒットを受け『半沢直樹』のスタッフが再結集したTBS系列『ルーズヴェルト・ゲーム』。経営危機に瀕する青島製作所を舞台に、野球部パートとビジネスパートがお互いリンクして進んでいく構成になっている訳ですが、野球とビジネス……と言う事で、当然出演者は男性が殆ど。野球部パートでは元プロ野球選手・工藤公康氏の長男・工藤阿須加さんの涙をギリギリまで溜めるきゅんきゅん演技や、その敵役・如月役の鈴木伸之さん(劇団EXILE)の清々しいまでの悪役振りが話題になり、ビジネスパートでは香川照之さんの口から「180度、いや540度違う!」と狙いを定めた名言が飛び出す等、ジワジワ響く展開が好評。視聴率も右肩上がりです。
そんな男性主体ドラマの「演劇オヤジ」と言えば、青島製作所野球部監督・大道役の手塚とおるさん。1962年生まれの51歳で1983年の舞台デビュー後は1986年から1992年の解散までナンセンスコメディーを多く上演した劇団健康の全ての公演に参加。現在も小・中劇場を中心に数多くの舞台で活躍しています。舞台で観る手塚さんの”売り”の1つが「得体の知れない存在感」なのですが、本作ではそのモードを封印し、データを駆使して野球部を導く監督を熱血スイッチで好演。
『ルーズヴェルト・ゲーム』青島製作所・会議室には、手塚とおるさん以外にも素敵な「演劇オヤジ」が沢山います。寡黙だがやる時はやる開発部長・神山役の山本亨さん、経理部長・中川役の小須田康人さん、一時はこすからい手で沖原を辞めさせようとした朝比奈製造部長役の六角精児さん、そしてまだ40代ではありますが、三上総務部長を演じるミュージカル界の貴公子・石丸幹二さん。いずれもtpt、第三舞台、扉座、劇団四季等で80年代、90年代から演劇シーンをリードしてきた強者ばかり。
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