RC造のメリット
耐震性が高い我が国は世界一の地震大国といわれており、世界で起こるマグニチュード6以上の地震の2割以上が日本で発生しています。
鉄筋コンクリートの頑強な基礎・コンクリート壁からなるRC造は、構造計算上高い耐震性を誇り、過去に発生した多くの大震災においても最も被害が小さかった構造になります。
入居者の命をしっかりと守れる耐震構造は人気が高く、空室対策にも繋がります。
耐久性が高い
鉄筋コンクリートは、引張力に強い鉄筋を組み合わせた後、圧縮力に強いコンクリートを周りに打ち込んで作られており、高い耐久性を誇ります。
法定耐用年数は様々な工法・構造の中で最も長い47年に定められており、資産価値を長く維持できると考えられています。
断熱・気密性が高い
日本には四季があり、季節ごとに気温や湿度が異なります。断熱性を備えたRC造は夏の暑さや冬の寒さといった外気の影響を室内に与えにくく、快適な住空間を造り出すことができます。
また、基礎・柱・梁・床・壁・天井などを一体化した継ぎ目のない構造は隙間が生じず、非常に高い気密性を備えています。
高い断熱性や気密性は冷暖房の効果を高めてくれ、毎月の冷暖房費を抑えることができる為、入居者からも喜ばれるポイントの一つとなります。
耐火性が高い
鉄筋コンクリートは不燃材料であり、最も火災に強いとされる「耐火構造」に区分されます。
火災にあった際、木造・鉄骨造は300℃を超えると温度の上昇とともに著しく強度が低下し、約20分後には崩壊してしまいますが、RC造は1000℃の炎に2時間さらされても燃えることはありません。
火災が発生してしまった場合、複数の世帯が入居する賃貸住宅では延焼により被害が甚大になってしまうケースが多いですが、耐火構造であれば延焼は起こりにくく、入居者や建物の被害を最小限に抑えることができます。
遮音性
騒音による隣人同士のトラブルは非常に多く、オーナーさんを悩ませる最も大きな問題の一つとなります。RC造においては、鉄筋コンクリート素材が音エネルギーを効果的に遮断し、騒音トラブルの減少に繋がります。
また、外部や上下階からの音も遮音する為、交通量の多い道路に面した建物であっても住宅街並の静かな環境を提供できます。
RC造のデメリット
建築費用が高い木造の建築費用に比べ建築費は高くなります。価格面でRC造を諦める方も多いですが、単純な初期投資金額だけでなく、耐用年数や建築後のメンテナンス費用等も含めて総合的に判断する必要があります。
重量が重い
コンクリートや鉄筋などの材料が使用されている為、RC造は重量が非常に重くなります。
その為、強固な地盤が必要となり、地盤の状態によっては地中深く杭を打ったり、地盤改良をしたりする必要があります。
結露が発生しやすい
高い気密性は冷暖房の効果を上げる反面、結露の発生の原因になります。換気システム等を導入する等の結露防止対策が必要になります。
構造を選ぶ際の注意点
どの構造で建築するかの判断は、単純なメリット・デメリットだけで決められるものではありません。その土地の法令上の制限や立地条件、建築費の動向などについても、しっかりと見極める必要があります。
土地によっては、木造の方が有効な場合や、メーカー系の軽量鉄骨が適している場合などもある為、初めから構造を決めて建築するのではなく、多面的な視点から、総合的に判断しなければなりません。
ちなみに、私の自宅はRC打ち放し造です。
気を付けてはいましたが結露に悩まされたこと、吹き抜けが多い設計であったために暖房費が思いのほかかかることなど、失敗と感じた面もあります。
しかし、80万円ほどの費用が発生しましたが、換気についての追加工事や、結露予防塗料などの結露対策により、現在は快適に暮らすことができています。
3.11地震の際に、家族も含め安心して過ごせたこと、遮音性が高く上下階の音など全く気にならないことなど、結果としてRC造には満足しています。