新しいF1の音はファンに不評

今年から1.6L直列4気筒・直噴ターボエンジン+ERS(パワーユニット)の新規定に移行したF1。信頼性の高さから波乱は起こらず、非常に高い技術力を示しているが、観戦するファンを驚かせたのが、新パワーユニットが奏でるサウンド。シリンダーの数が少ないターボエンジンであるため、低い音色になるのはある程度予想できたが、サイレンサーを付けていないにも関わらず、「F1らしくない」静かなサウンドになってしまったことは現地観戦するファンをガッカリさせてしまった。過給器(ターボ)の掃除機のような吸い込む音も耳に付き、特に走行映像はスピード感が以前に比べて感じにくくなってしまった。
フェラーリF14T

アロンソのフェラーリ 【写真:Ferrari】

そこで、FIAは静かなエンジン音を改善するために、先日のF1スペインGPの後に行われたテスト走行で、「メルセデス」の排気管をラッパのような形状にしたエキゾーストをテストしている。効果はあまり無かったようだが……。

レースにおいて、エンジンが奏でるエキゾーストサウンド(排気音)はその魅力の1つだ。0.1秒速くなろうが、トップスピードが10km/h速くなろうが、観客目線ではほとんど変わらない。やはりコースサイドで最もその迫力を感じられるのが排気音の迫力だ。かつてF1には甲高いV型12気筒エンジンが存在し、高回転のV10、V8も美しい音色を聞かせてくれたものだった。シーズンを重ねるごとに、ファンの耳は慣れていくものだろうが、昨年までに比べると退屈なレースになってしまっている状況を考えると、観戦するファンの満足度を上げるには音を何とかしないといけないのだろう。音の良さはF1の象徴でもあるのだから。

レッドブルの巻き返しに期待

「メルセデス」の独走で始まった今シーズン、ウインターテストでトラブル続きだったルノーエンジン搭載のチームは序盤戦でかなり苦しんだ。しかしながら、ルノーは徐々に改善。マレーシアGPでは「レッドブル」のセバスチャン・ベッテルが3位に、スペインGPではダニエル・リカルドが3位に入り、「レッドブル」の復調はシーズン中盤戦に向けた微かな望みといえる。
リカルド

レッドブルのリカルド 【写真:Infiniti GP】

ただ、波乱がほとんど起こらなかったスペインGPで「メルセデス」と「レッドブル」には50秒近い差が生まれている。カタルーニャサーキットは抜きどこが少ない上に、マシンの総合力がハッキリと出るサーキットだけに、その歴然と言える差はそう簡単には埋まらないだろう。

そして、「フェラーリ」は表彰台がバーレーンGPでフェルナンド・アロンソが獲得した3位、1回だけ。アロンソは全戦入賞を果たしてランキング3位につけているが、キミ・ライコネンは最高位が7位。第5戦スペインGPでは6位争いが精一杯で、ライコネンは周回遅れにされてしまう低空飛行ぶりだ。早速、ステファノ・ドメニカリ代表が解任されてしまっている。ワールドチャンピオン2人を抱えるチームの新体制はうまく機能するかどうか。ちなみにフェラーリは1982年以来、コンストラクターズランキングを5位以下で終えたことはない。

また、メルセデス勢では開幕から好調だった「マクラーレン」がここに来て失速。来年からホンダのパワーユニットを使用することが決まっているツナギの1年であるため、後半戦の失速は予想できたが、スペインGPでは2台揃って入賞まで届かずという結果はちょっと心配だ。

次戦は市街地コースのモナコGP。現時点では「メルセデス」を止める要素を持ったチームは存在しないと言えそうだが、大金星をあげて流れを変えるドライバーやチームが1つでもあることを期待したい。

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