土地購入/より良い土地購入の方法・選び方

切り土・盛り土がわかる造成地マップ:東京篇

東京都が都内全域の「大規模盛土造成地マップ」を公表しました。調査をした結果、現在危険な事象が生じている大規模盛土造成地はなかったということですので、今後はその状態を維持することが大切です。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

住まいの性能・安全ガイド

東京都内全域の大規模盛土造成マップ

東京都の「大規模盛土造成地マップ」が公表された。詳しくは次ページで(出典:東京都環境整備局)

東京都の「大規模盛土造成地マップ」が公表された。詳しくは次ページで解説(出典:東京都都市整備局

平成26年3月、東京都は都内全域の「大規模盛土造成地マップ」をホームページで公表しました。

丘陵地を切り開いてつくられた造成地には、谷などに土を盛って造られた「盛土造成地」と山を削った「切土造成地」があります。このうち土を盛って造られた盛土造成地では地盤が軟らかい傾向があり、大地震の際に揺れが大きくなったり滑動崩落(地滑りなど)が発生する危険性などが指摘されています。

 

古い宅地造成地は注意が必要

東日本大震災で大きな被害を受けた造成地

東日本大震災で大きな被害を受けた宅地造成地。地滑りで道路まで押し出された。

特に東日本大震災で地滑り等の被害を受けた宅地の多くは1970年代以前に造成されており、宅地造成法の改正で技術基準を強化した2006年以降に造成された宅地については被害が確認されていません。

従って宅地造成地を持つ自治体は、次のステップを踏んで安全性を確認することが急務となっています。

 

自治体がすべき4つのステップ

1ステップ:既存の古い盛土造成地の有無を調べる 
2ステップ:古い盛土造成地があれば安全性を調べる 
3ステップ:危険箇所があるとわかったら地滑り等の対策を取る
4ステップ:ホームページなどで情報を公開する

国土交通省では、各自治体に対し上記1)~4)を行うことを推進しており、ホームページで定期的に各自治体の取り組み状況などを発表しています。ここで注意したいことは、ステップ4の「情報を公開すること」です。調査をしても公開しない自治体も多く、公開しなければそれを防災に役立てることができません。

また、盛土造成地が必ず地盤状況が悪いというものではありません。盛土造成地であっても安全性が確認されれば、安心して住むことができます。

 

大規模盛土造成地の意味

宅地造成等規制法では、相当数の居住者に危害を与える恐れがあるとして「盛土をした土地の面積が3千平方メートル以上であること」または「盛土をする前の地盤面が水平面に対し二十度以上の角度をなし、かつ盛土の高さが5メートル以上であるもの」を「大規模盛土造成地」と定めています。今回東京都が公表した「大規模宅地造成地マップ」もそれに該当する大規模な造成地が公表されています。


 
次のページで東京都の大規模造成地マップの内容を詳しく確認してみましょう。

 

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