裁判員が実際にかかった費用は支給されない?

実際にかかった交通費や宿泊料がそのまま支払われるわけではない

実際にかかった交通費や宿泊料がそのまま支払われるわけではない

裁判員や裁判員候補者などになり、裁判所に出かける場合には交通費が支払われます。また,裁判所が自宅から遠いなどの理由で宿泊しなければならない場合には、宿泊料も支払われます。ただし、以下に述べるように、実際にかかった交通費や宿泊料がそのまま支払われるわけではありませんので、注意が必要です。

交通費について

交通費は、鉄道運賃、船舶運賃、航空運賃が支払われます。その際、複数の経路や交通手段がある場合には、交通費は「最も経済的な(安価な)経路・交通手段」で計算されます。

鉄道の場合

鉄道の場合、新幹線や特急の片道の利用区間が100km以上の場合には、運賃のほかに指定席特急料金が支払われます。なお、グリーン料金は支払われません。また、新幹線や特急の片道の利用区間が100km未満であっても、これらを利用することで宿泊する必要がなくなる場合(例えば、普通列車を利用すると、前日に自宅を出発して宿泊しなければ、裁判所に呼び出された時間に間に合わないが、特急を利用すれば、当日朝の出発でも間に合うような場合)なども、特急料金が支払われます。これらの場合以外は、実際に新幹線や特急を利用したとしても、特急料金は支払われません。

船舶の場合

離島から裁判所に出向く場合など、船を利用する場合には、船舶運賃が支払われます。船舶運賃は、運賃が三段階に分かれているものは中級(例えば「特等」「一等」「二等」と分かれているものは「一等」)の、運賃が二段階に分かれているものは下級の運賃が支払われます。また、フェリーとジェットフォイルがある場合には、安価な交通手段であるフェリーの料金が支給されるだけで、ジェットフォイルを利用したとしても、その料金は原則として支給されません。しかし、ジェットフォイルを利用することで宿泊する必要がなくなる場合は、宿泊料は支払われずに、ジェットフォイルの料金が支払われます。

飛行機の場合

遠隔地から裁判所に出向く場合など、飛行機を利用する場合には、航空運賃が支払われます。ただし、スーパーシート料金や空港施設使用料は支払われません。飛行機を利用する場合には、原則として、「往復割引の航空券」を購入する必要があります(往復割引の航空券は、帰りの便を予約しなくても購入できます)。 また、裁判所で行きの航空券の半券(搭乗券)の確認がありますので持参するようにしましょう。

それ以外の交通手段

自宅から最寄り駅までバスやタクシー、自家用車等を利用した場合には、その距離に応じて1kmあたり37円で計算された金額が支給されます。実際にかかったバス料金やタクシー料金、自家用車の場合、実際にかかったガソリン代、高速道路、駐車場の料金が支給されるわけではないので、注意が必要です。また、裁判所まで、バスやタクシー、自家用車を利用した場合には、鉄道路線がある区間では鉄道運賃が支払われ、鉄道路線がない区間では、先ほど説明したのと同じで、距離に応じて1kmあたり37円で計算した金額が支給されます。

途中で立ち寄った場合は?

また、たとえば、裁判所に行く前に会社に立ち寄るなど、迂回をした場合でも、自宅から裁判所へ直接行く経路での交通費が支払われます。

宿泊料について

宿泊料は、裁判所が自宅から遠いなどの理由で宿泊しなければならない場合、つまり裁判所に指定された時間に朝間に合わない場合や、夜帰宅できないような場合に支払われます。しかし、宿泊料の額も、交通費と同じで、実際にかかった宿泊料金ではなく、1泊当たり7800円または8700円が支払われます。なお、宿泊料が支給される対象者には、呼出状にその旨表示されます。支給を受けるにあたり、領収書や宿泊証明書の提出は不要です。

どうやって支給されるの?

裁判員候補者に選ばれた際には、呼出状と一緒に同封されている「旅費等の振込先の届出」に口座番号等の必要事項を記入します。交通費や宿泊料などは、その預貯金口座へ振り込まれることにより、支給されます。振込先は、原則として、本人名義の預貯金口座ですが、振込可能な本人名義の口座がない場合には、同居の家族名義の口座を振込先とすることができます。選任手続の日(裁判員に選任された場合は裁判の最終日)から約1週間から10日程度後に支給され、事前に支払われることはありません。支給されたタイミングで、振り込んだ旨のお知らせが郵送されます。

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