噛み締めるほどに粉の旨みが膨らんでいくバゲット

ル・ルソール

ル・ルソール

駒場東大前駅から歩いてすぐ。パン好きたちが足繁く通う正統派のブーランジェリーです。私がこのお店のパンに出逢ったのは、南青山のフレンチ「フロリレージュ」にて。ここで料理とともに供されたパンが「ル・ルソール」の“バゲット”だったのです。そして、それをひとくち食べて仰天したのを今でもはっきりと憶えています。私の中でバゲットと言えば、恵比寿「ラ ブティック ドゥ ジョエル・ロブション」の“バゲット ア フェルマンタシオン ラント”(しっかりボディでクラストも厚く、実に濃厚なテイスト)がズバ抜けた存在だったのですが、それに勝るとも劣らない鮮烈な旨さを実感した瞬間です。

自家製天然酵母や香り高い石臼挽き粉、無農薬小麦を使って低温長時間発酵させた生地は、適度な塩気があり、噛み締めるほどに粉の旨みが膨らんでいくタイプ。いい意味での濃厚さ、味わい深さが備わっていながらも、口当たりは比較的軽めで、あっさりとした一面も共存しています。主張するところはしっかりと主張する。それでいて余韻は軽やか。まるで極上のお椀を飲んだ時のような趣が感じられるバゲットだと言えるでしょう。

スウィート系のパンでは、ふわふわの生地で那須の御養卵やマダガスカル産ヴァニラで作ったクレーム・パティシエールを包んだ“クリームパン”が特に秀逸。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。