漢字の書き取り100回は当たり前?

まずは、画像を見て下さい。これはある中学校で出された実際の課題です。余白や行間、ありとあらゆるスペースに「これでもか!」というくらい、びっしりと漢字の書き取りをしないとA評価がもらえないというのです。驚いたことに、国語に限らず、英語や社会科でも、同じようなただ余白を埋めるだけの課題を出す学校があるのです(実際、ガイドはこうした理不尽な課題を複数の学校で確認しています)。
行間や欄外などあらゆる余白に何十回も漢字の書き取りをしないとA評価がもらえないモンスターティーチャーが出す理不尽な宿題

行間や欄外などあらゆる余白に何十回も漢字の書き取りをしないとA評価がもらえないモンスターティーチャーが出す理不尽な宿題

こうした、いわば「モンスターティーチャーが出す変な宿題」に対して、子どもの対応は2つに分かれます。

まず、真面目な子は、しぶしぶながらも学校の指示に従います。1ページ終わらせるのに1時間や2時間かかるのはざらだとか。この理不尽な課題のおかげで、塾の課題がこなせなかったり、睡眠時間を削られ睡眠不足に陥ったりと、さまざまな弊害が出ています。

その一方で、学校の成績をあまり気にしない子は、学校の指示に従わず「普通に」課題をこなして提出します。あるいは、課題そのものを提出しない子もいます。いずれにせよ、このような生徒は、はなっから「A評価をもらうのをあきらめている」ことを意味します。

要するに、学校側の指示にまじめに従う子にはA評価(良い)を、そうでない子にはB(普通)以下の評価を与えるということがまかり通っているのです。

学習効果はゼロどころかマイナス!

ただ闇雲に何回も何十回も書き取りをする行為を、脳は「重要でない」と判断してしまうそうです。結果として、知識として定着しにくいのです。このように、脳科学の視点から、こうした理不尽な課題は学習効果が期待できません。それに、こんな課題ばかりでは、勉強嫌いにつながるという点でも問題です。

また、「勉強=質よりも量(とにかく回数をこなせばよいのだ)」という誤った学習観を子どもに植え付けてしまう点でも問題です。ただ闇雲に何十回も書き取りするのと、どういう内容の課題をどれくらいの量こなせばよいのかを考えて書き取りするのとでは、効果は雲泥の差です。

ちなみに、心理学では「どういう内容の課題をどれくらいの量こなせばよいのかを考える力」をメタ認知と呼んでいて、この力は、成績の良い学習者に見られる特徴の一つと言えます。本来、学校はこのメタ認知力を伸ばすような課題を子どもに与えるべきなのです。

何が問題なの?

すべての学校ではないにしても、こうした理不尽な課題がまかり通る理由の一つに、内申点制度があります。テストの点数だけでなく、普段の授業態度が通知表の成績に反映されるためです。子どもたちはテストという結果だけでなく、学校での生活態度や授業態度も評価の対象となるのですから、息苦しくて仕方がありません。

内申点は、高校入試で最も重要な指標の一つ。進学校を目指している子にとっては、少しでも評価を上げたいところ。ですから、理不尽と思いつつも、内申点のためにただ黙って課題をこなすしかないのです。

もちろん、こうした理不尽なことに不満があるのは保護者も同様です。しかし、「わが子の内申点にひびくのではないかしら」という理由から、学校に不満を言えないでいる保護者が多いのも事実。

結局、泣き寝入りするしかないのでしょうか。

次は、学校の指導方針に不満がある場合の対処法