2010年の初の展覧会「EXHIBITION OF WONDERWALL ARCHIVES 01」から4年を経て、ワンダーウォールの活躍の場と規模は、日本のみならず、ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリア、中東、アジアに拡がり、国際的に高く評価されています。
そんな彼らのデザインプロセスに欠かせない「模型」に主眼を置いた本展は、普段目にすることのない「小さなリアルの世界」をつぶさに見ることのできる機会であり、実際の空間を疑似体験し、片山さんの頭の中をのぞき込めるかのようなユニークな試みです。
11:00~20:00 入場無料
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3F
お問い合わせ:ポーラ ミュージアム アネックス
TEL.03-5777-8600(ハローダイヤル)
片山さんのフィギュアが出迎える
エレベータの先に続くアプローチ。その突き当たりの壁に〈EXHIBITION OF WONDERWALL ARCHIVES 02 10 PROJECT MODELS〉のネオン文字が光っています。それに誘われるように足を進めると壁にはめこまれた片山さんのフィギュアが出迎えてくれます。いかにもワンダーウォールらしい心憎い演出です。その先の長いアプローチには、写真をモザイクのようにレイアウトしたパネルが伸びています。これは6月上旬に一般発売される作品集『WONDERWALL ARCHIVES 02』をレイアウトしたもの。会場で先行発売されているこの作品集には、2011年からワンダーウォールが手がけた30ものプロジェクトが収録されています。
上/アプローチにはめこまれた3Dプリンターによる片山さんのフィギュア。 下/作品集をレイアウトしたパネル展示。
細密に造り込まれた10の「模型」
周囲を黒い壁で囲まれた会場には、大小の透明なアクリルのケースが左右に5つずつ整然と並んでいます。その10個の箱の中にはスポットライトに照らされた大きな「模型」が浮かび上がっています。近づいてよく見てみれば、外観や内部の壁や天井や階段はもちろんのこと、陳列棚や椅子や机や天井の照明器機などが細密に造りこまれているのが分かります。その完璧な仕上がりはまさに職人技。これが室内外に置かれた白い人体モデルとともに「模型」に独特のリアリティーを生み出しています。
会場に整然と並んだ10の「模型」。
1. 「A-FACTORY」 青森 2010年竣工。
2. 「INTERSECT BY LEXUS - Tokyo」 東京青山 2013年竣工。
3. 「UNIQLO New York Fifth Avenue」 ニューヨーク 2011年竣工。
4. 「OZONE at The Ritz-Carton, Hong Kong」 香港 2011年竣工。
5. 「MACKINTOSH AOYAMA STORE」 東京青山 2012年竣工。
6. 「YOYOGI VILLAGE code kurkku / Music Bar」 東京代々木 2011年竣工。
7. 「THOM BROWNE, NEW YORK AOYAMA」 東京青山 2013年竣工。
8. 「Hyundai Card Travel Library」 韓国ソウル 2014年竣工。
9. 「Drawer Aoyama」 東京青山 2003年竣工。
10. 「THE BANK」 鎌倉 2000年竣工。
模型に最前線のデザインを凝縮
「模型」は片山さんのデザインプロセスにおいて重要な位置を占めています。全体の規模、素材のバランス、人間の動線の検討、場の空気感などを把握するためには、デジタルなCGではなく、アナログな「模型」が最適なのだと言います。今やインテリアデザインに留まらず、建築デザインディレクションやプロダクトも手がけるワンダーウォール。斬新で大胆、そして緻密さが同居する空間造りのノウハウが「模型」に凝縮されているのです。会場で先行発売されている最新作品集
「WONDERWALL ARCHIVES 02」
PARCO出版 A4判変形/224ページ バイリンガル仕様(日・英) 3,600円+税/6月上旬一般発売