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最新SUVの弱点を解決する最新技術とは?

SUVにつきまとう「重くて大きい」という課題を克服するのが、ハイブリッドやディーゼルなどの最新技術だ。いまや9ATを採用するモデルも市販されている。SUVの課題と先進技術について考える。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

SUVのウィークポイントとは?

トヨタ・ハリアーハイブリッド

SUVに限らずガソリンよりも高くなるのがハイブリッドの課題だが、燃費低減では依然有効なシステム。ハリアーハイブリッドの場合は、最高で21.8km/Lをたたき出す

大きくて重いSUVは、燃費が悪いだけでなく、事故が起きた時の他車への攻撃性も少なくない。しかも横転しやすく、安全のようでいて、そうでもないという指摘は以前からされてきた。

しかし、SUVに限らず新しい技術が次々に投入されることで、完全解決には至らずとも改善されつつある問題点も多い。まず、燃費でいえばハイブリッド化やPHV(プラグインハイブリッド)化、クリーンディーゼルの普及で10年前では想像もつかなかったほど向上している。

たとえば、高級SUV路線を生み出した1997年登場の初代ハリアーは、8.8~9.5km/L(10・15モード燃費)だが、2.0Lの現行ハリアーは14.8~16.0km/L(しかもJC08モード燃費で)に向上している。

総じて燃費は良くなっているわけだから、大きくて重いSUVが燃費面でほかのジャンルよりも不利なのは間違いない。それでもハイブリッドであれば新型ハリアーであれば最高で21km/L超、マツダCX-5はクリーンディーゼル搭載車なら18km/Lを超えている。

欧州勢も燃費向上のSUVを投入へ

ボルボXC60

ボルボは自社開発の2.0L 4気筒直噴ターボを搭載し、8速ATと組み合わせる仕様を新たに設定している。XC60の2014年モデルは499万~699万円

ハイブリッドやPHV、クリーンディーゼルはそれだけ価格も割高になるから、燃費だけで元を取るのは難しいにしても、10年前のように「SUVは燃費が悪い」と指摘するのは時代遅れの感を否めない。

欧米勢もSUVの燃費向上は待ったなしなだけに、「ダウンサイジング+過給器」によるガソリンエンジンの高効率化、ハイブリッドやクリーンディーゼルの日本導入も積極的。

最近では、ボルボがSUVのXC60を含む60シリーズに「Drive-E」と呼ぶ自社開発の2.0L 4気筒直噴ターボを搭載。しかも8速ATに多段化され、従来比23%増となる13.6km/Lを達成している。

また、多段化といえばレンジローバー・イヴォークが2014年モデルを機に、世界初の9速ATを搭載し、9.0km/Lから10.6km/Lに向上し、CO2排出量も19%削減。
レンジローバー・イヴォーク

イヴォークは2014年モデルからZF製9ATを採用。6速から上はオーバードライブで、通常走行時にはFFで走行する制御も搭載

多段化のメリットは燃費だけでなく、最新イヴォークでいえばスムーズなシフトフィールも見逃せない。Dレンジで普通に走っている分には変速ショックなどは無縁で、念入りに確認してもシフトアップしていくに従って何速に入っているのか分からなくなるほど。

発進時もオンロードで普通に走る分には2速スタートで、100km/h巡航時でも平坦路なら2000rpmを超えることはない。

日本ではあまり見かけないが、とくにオフロード系の大型SUVにはトーイング(牽引)する役割も担うため、CVTやDCTではなく、トルコン付ATが欠かせない。トーイングと燃費、上質なフィーリングなど多段化は欠かせない技術になるかもしれない。

次ページは、3L/100km「SUV」について
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