「もう一枚撮りましょうか」が失敗をリカバー
記念撮影の撮り方のバリエーションを知っておくと観光地などで撮影を頼まれたときにも役立つ。
写真を撮ってくださいと頼まれるままシャッターを切ってあげてカメラを返す、これだけでも相手にとっては十分に満足なはず。しかし、写真を日頃から撮っている方なら、もう一枚撮ってあげましょうかとおせっかいながら一声掛けてあげたくなるのではないでしょうか。
複数枚撮影するメリットは、手ぶれ写真のリカバー、写っているひとの目つむりのリカバー、写っている人の表情のオプションなどがあります。
1枚だけシャッターを押してもらってその一枚が満足いかない写りだった場合は残念ながら諦めるしかありません。しかし、複数撮ってありどちらかが失敗していた箇所をリカバーしていてくれれば、成功写真を手にすることが出来ます。
これは頼まれたときのだけでなく、自分が日頃撮影するときにも行うとよい習慣。保険をかける意味も含めて、数ショット撮っておくと撮影の失敗を防げる確率が高まります。
ただ、相手方のカメラなので事前に「もう一枚撮っておきましょうか」と尋ねてから撮るのがいいでしょう。そう尋ねて「いいえ、要りません」と断る方はほとんどいないはず。積極的に2枚目を撮ってあげていいでしょう。
横位置と縦位置を撮り分けバリエーションアップ
撮影を頼んでくる場合、事前に「縦位置でお願い」と指定されることもままありますが、そういうのは少数派。ほとんどはお任せ状態でカメラを託されます。撮影を頼まれる場合たいてい背景になにかしら風景などがありそれをバックに入れて記念撮影するのが目的。
この場合、縦または横のどちらかの位置で撮るだけのことが多いですが、余裕があるなら先に撮ってない位置でもフレームを作って撮ってあげると喜ばれることがあります。
背景にあるものが縦に長いもの、例えば東京スカイツリーなどの場合は横位置より縦位置のほうがフレームの収まり具合はいいはずです。なので横位置で1枚撮ってから、一声掛けて縦位置でも撮っておいてあげるといいでしょう。
ただ、大人数での集合写真のような横位置のフレームでないと収まらない場合は、無理して縦位置で撮る必要はありません。このあたりはケースバイケースで対応します。
ひとつの風景で横位置と縦位置を撮り分けておくと、同じ写真でもバリエーションが増えて、アルバムなどに整理するときに使い分けが出来るというメリットも生まれます。
撮り終えたリラックスした表情を撮る
「はい、では撮りますよ」と声掛けをして撮影した写真に写る人たちの表情はどこかぎこちないことが多いものです。撮られることに身構えてしまうのが原因なのですが、それを解いた瞬間を撮っておいてあげてもおもしろいかもしれません。撮り方としては次のような手順になります。まず通常撮影する流れで、「はいでは撮ります」とシャッターを切ります。撮り終えたら「はい、撮れました」と声掛けします。その瞬間に並んでいる人たちは緊張が解けます。カメラはそのまま構えたままにしておき、このリラックスして表情が緩んだ瞬間にもシャッターを切ります。
このリラックスした瞬間を狙うときはもちろん相手方に悟られないように声掛けはしないでタイミングを見計らいシャッターを切ります。
レンズに向かい構えて撮られた写真と不意打ちで撮られた写真を比較するとその表情の差が大きく見ごたえのある比較を楽しむことが出来るはず。ナチュラルな表情の写真はどこか見ていても心和むものです。
ただ、この方法は撮る側にも撮られる側にも余裕がある場合だけにしておいたほうがよさそうです。またある程度撮影に慣れてないとリラックスした瞬間を狙うのはやや難しいかもしれません。
これら写真を頼まれたときの撮り方も工夫をするといろんなパリエーションがあります。このような様々な撮り方を考えることはそのまま撮影テクニックの上達にも実はつながります。頼んできた相手にも喜ばれ、自分の撮影の技術も磨かれれば一石二鳥ですね。