省エネ効果をアップする「住まい方」
山形エコハウス。環境省の補助を受け、地域の材料を使い、地域の気候風土や特色を盛り込んで建てられた
1) 環境基本性能の確保
2) 自然・再生可能エネルギーの活用
3) エコライフスタイルと住まい方(※)
以上の3つのテーマに加えその地域の材料を使うなど「地域らしさ」がプラスされたもの、それがエコハウスの定義でした(詳しくはこちら)。
今回は、この3番目のテーマ「エコライフスタイルと住まい方」(※)について、具体的にどんな暮らし、住まい方がエコになるのか考えたいと思います。
効率的なエコのために
家庭におけるエネルギー消費の実態(出典:環境省)
こちらの記事でご紹介しましたが、家庭におけるエネルギー消費は「給湯」(39%)が最も多く、次いで「照明・動力(電化製品)」(35%)、暖房(24%)、冷房(2%)となっています。
つまり、エネルギー消費の大きい給湯・暖房・照明部分を中心に工夫したほうが効率的な省エネになります。このことをまずは押さえておきましょう。
節水できる入浴習慣を身につけよう
ではまず最もエネルギー消費の大きい「給湯」に注目してみましょう。お湯を大量に使う場所といえばお風呂ですよね。シャワーヘッドを節水タイプのものに交換する方法も有効ですし、家族一人ひとりがシャワー使用中にこまめにお湯を止める習慣を身につけるとさらに効果が見込めます。次に家族のお風呂の入り方ですが、家族が一人ずつ入浴し、かつ連続して入らず間があくという入り方は、エネルギーロスが大きくなります。可能であれば家族でまとまって入ったり、時間を空けずに入る生活習慣をつけられるといいですね。
以上のような取り組みは、家族の意識の持ちようでできること。入浴は毎日のことなので、習慣づけば省エネ効果も大きくなります。
冬の暖房費節約は南向きの部屋をどう使うか
冬の暖房費節約には太陽の力を借りよう
従って、高齢者や幼児など、日中を家の中で過ごす時間の長い人が使う部屋、例えばリビングや高齢者の個室を南向きにしつらえると「エコな住まい方」となります。「寝室」=「北向き」という概念にとらわれず、柔軟に部屋割りを決めることが大切です。
夏は無理はせず、出来る範囲で取り組みを
次に夏。夏の室温上昇を抑えるには、窓から入る日射をいかに防げるかがポイントになります。すでに実践されている人も多いと思いますが、窓の外にすだれやよしず、ブラインドを設けて直射日光が当たらないようにしましょう。そして自然の通風も最大限に利用しましょう。夏場、一日中冷房をかけて過ごすのではなく、夜間に気温が下がってきたら窓を開け、自然通風で涼を取り込みましょう。東日本大震災の後に省エネ意識が高まり、暑いのにエアコンを我慢して熱中症になる人が続出しましたが、冷房エネルギーは家庭で使用する消費エネルギー全体のたった2%にすぎません。夏は健康を害するほど無理をするのはやめて、健康第一で「できる範囲」で取り組みましょう。
次のページで自然の力の利用、身近な工夫などを見てみましょう。