夏期のエアコン控えは節約効果があったのか

東日本大震災後は特に、節電のために真夏にエアコン使用を控え、熱中症で病院に運ばれるというニュースを耳にするようになりました。そのため「暑かったらがまんしないでエアコンをつけましょう!」という呼びかけが新聞・テレビなどから流れるほどに。このように夏にエアコンの使用を控えることは、節電にどの程度の効果があったのでしょうか。

家庭内で一番消費の多いものは何?

ここで、環境省が作成した興味深い資料をご紹介いたしましょう。家庭におけるエネルギー消費の「実態」と「認識」がどの程度かけ離れているか(=乖離(かいり)しているのか)調査した結果です(【図1】)。
【図1】家庭におけるエネルギー消費の実態と認識の乖離(出典:平成20年 環境/循環型社会白書undefined環境省)。クリックで拡大。

【図1】家庭におけるエネルギー消費の実態と認識の乖離(出典:平成20年 環境/循環型社会白書 環境省)。クリックで拡大。


【図1】では、左の棒グラフが私たちの「認識」を示し、右の棒グラフが「実態」を示しています。先ほど話題にした「冷房」に注目してみると、家庭における冷房のエネルギー消費は実際には2%と少ない(右のグラフ、ピンクの部分)のに対し、冷房を最大用途と答えた人が30%にのぼっています(左のグラフ、ピンクの部分)。

また、実際にはエネルギー消費の多い給湯(39%)や動力(家庭用電化製品)・照明(35%)に対して、たくさん使っていると認識している人は前者に対し16%、後者に対し14%と少なく、私たちが頭で認識しているエネルギー消費と実際のエネルギ―消費には隔たりがあることがわかります。

 

思い込みをなくして効率よく節電を

つまり、私たちが電力を使っていると思い込んでいた夏のエアコンは実際の使用量は全体の中のたった2%であり、それを我慢するよりも、実際の消費エネルギーの大きい給湯、照明、家電などの節電を心がけたほうが、効率よく家庭のエネルギーを削減することができるということになります。

給湯、家電、照明器具に注目

繰り返しになりますが、私たちは夏のエアコンにエネルギーをたくさん使っていると思っていますが、実は給湯や家電、照明の方がエネルギーをたくさん使っているのです。これからは、給湯、家電、照明器具など、エネルギーをたくさん使っている部分を効率よく節約し、省エネ効果をアップしましょう。

冷暖房に絞ってみても、実際には冷房エネルギーは2%、暖房エネルギーは24%を占めているということから、暖房の方が冷房よりもエネルギーをよりたくさん消費していることになります。意外だな、と思った方もいらっしゃるでしょう。

次のページで省エネ・節電のカギになる「節湯」について解説します。