子育て支援制度/保育サービス

産後クライシスにも効果?! 子育て支援センターの実力

子育て支援センターと聞くと「子どもの場所」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか? しかし本来は、育児全般を支援するための施設で、近年ではパパママ向けの講座が充実した施設など、新たな取組みが注目されています。子育て中なら知らなきゃ損!子育て支援センターの今とは?

山下 真実

執筆者:山下 真実

子育てガイド

子育て支援センターをご存じですか?

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子育てに関することなら全般的にサポートが受けられる

「子育て支援センター」という施設が各地に在るのをご存じですか? ベビーマッサージ教室などの親子イベントが開催されていたり、子どもの遊び場として開放されていたりするので「子ども用の場所」というイメージをお持ちの方も多いかも知れませんが、定義的には地域の育児支援全般を担う施設と位置づけられています。

パパ・ママを支える地域拠点として様々な活動をしている子育て支援センター。無料や安価でかなり専門的なサービスが受けられたり、育児期に知っておきたい有益な情報が得られたりと、心強い味方になってくれそうです。

例えば、現在実施されているサービスの中でも特にガイドが注目したのが、埼玉県和光市にある「みなみ子育て支援センター」の取組みです。

大人が育つ?! 子育て支援センターの新しい取組み

子どもだけでなく大人を対象とした独自の子育て支援が人気を呼び、地域内外から注目を集めている和光市みなみ子育て支援センター。

親子で参加できるセミナーや子育てサークルの開催、一時保育の受入れ(リフレッシュ利用可)などを行っている県内最大規模のセンターで、大勢の子ども達が走りまわっても余裕のある広々スペースと、絵本やおもちゃなども豊富に揃う施設です。

子どもが喜ぶこと間違いなしのこちらの施設ですが、特におすすめしたいのが同センターが独自に取組んでいるパパ・ママ対象の講座。例えば「めおとワーク」という講座では、主に初めて子どもを持った子育て1年生夫婦を対象に、独自の育児支援を約10年前から行っています。

産後クライシスという言葉が話題となり、今でこそ出産前後のパートナーシップ変化への関心は高まっていますが、10年前はさすがに社会的な認知度も低かったそう。そんな中でも地道に取組みを推し進め、ここ数年はキャンセル待ちが出る程の人気だそうです。

同施設長で臨床発達心理士でもある榊原久子さんは、以前は保育園や幼稚園に勤務して多くの子どもや保護者を見てきました。その経験の中で、次のような問題意識を持ったそうです。

それまでずっと「育てられる側」として生きてきた人間が、子どもが生まれた瞬間から突然「育てる側」となり、夫婦が男女の関係性から父母としての関係性へと変化する。これは生涯発達的視点から見ると人生のターニングポイントともいえる。そこで生まれる戸惑いや不安に対して適切なサポートを受けられるか否かは、産後の育児不安・負担・ひては虐待の防止など、その後の家族形成に大きな影響を与えるのではないだろうか。

だからこそ、「子どもの育ちを保証するためには、家族としての育ちを支えることが必須である。親だけでもなく、子どもだけでもない。家族まるごとを支援することこそが本当の子育て支援だ」と考えて、親向けの支援を充実させるようになったそうです。

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