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スーパーフォーミュラ、2014年プレビュー(2ページ目)

ニューマシンSF14を投入し、ターボエンジンの採用で新時代を迎えるスーパーフォーミュラについて分かりやすくプレビュー。ドライバー層の厚さも見所のひとつ。国内トップフォーミュラ、史上最強の戦いが始まる。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

元F1ドライバーが3人も参戦

2014年は海外から新たな刺客として、元F1ドライバー2人が「スーパーフォーミュラ」に参戦する事になった。
2014年スーパーフォーミュララインナップ

2014年スーパーフォーミュララインナップ

名門「TEAM IMPUL」からの参戦を決めたのは、インド人・元F1ドライバーのナレイン・カーティケヤン。彼はジョーダン、HRTで全3シーズンに渡ってF1を戦った。F1以外にも海外のフォーミュラカーレースに参戦を続けており、フォーミュラに対する強いコダワリを持っているドライバーだ。彼自身はフォーミュラニッポン時代に1年だけ参戦した経験があり、13年ぶりの復帰となる。その当時から比べるとマシンのスピードは格段に上昇しているので日本の「スーパーフォーミュラ」は今、彼が最も魅力を感じているフォーミュラカーレースなのだ。

リウッツィ

元F1ドライバーのビタントニオ・リウッツィ(右)

また、ホンダからの「SUPER GT」参戦とともに「スーパーフォーミュラ」への参戦を決めたのが、イタリア人元F1ドライバーのビタントニオ・リウッツィ。彼はレッドブル、トロロッソ、HRTでF1をドライブ。カート時代から注目され、ベッテルの登場まではレッドブルのドライバーとして将来を嘱望されていたドライバーだった。今年はホンダ勢の目玉として参戦する。

この2人にウィリアムズでF1を2シーズン戦い、2012年にはフォーミュラニッポン王者に輝いた中嶋一貴を加えて、2014年は3人のF1ドライバーが集うことになった。日本のトップフォーミュラ史上、3人ものF1ドライバーが戦うのは初めてのことであり、こういった要素もまた新たな歴史の始まりを予感させる。

相変わらず強いルマンウイナーたち

3人のF1ドライバーが集うという事実は非常に魅力的なものだが、カーティケヤンもリウッツィもそう易々と勝てるレースではないのが今の「スーパーフォーミュラ」。このシリーズには長年参戦しているF1ドライバーに匹敵する実力者が多い。

デュバル

ロイック・デュバル
【写真:JRP】

その代表格と言えるのがアウディでWEC(世界耐久選手権/ルマン24時間レースを含む)を戦うアンドレ・ロッテラーとロイック・デュバルの2人。昨年もスポーツランド菅生で行われたレースで強烈なデッドヒートを展開し、別格とも言える走りを見せつけた彼らはマシンが変わってもウインターテストから好調だ。昨年はWECと日程が重なり数戦を欠場したが、今年は彼らも全戦に参戦できるためシリーズチャンピオン争いは彼らを中心に展開されそう。

しかし、外国人ドライバーを迎え撃つ日本人ドライバーも、この層が厚いシリーズの中で負けてはいられない。現在の日本人ドライバーのほとんどがトヨタ、ホンダのドライバー育成プログラムで育ってきたドライバーたちである。昨年初のチャンピオンに輝いた山本尚貴を筆頭に、塚越広大、武藤英紀、国本雄資など海外でのレースでも実績を残してきた日本代表とも言えるドライバーも多く、彼らが増加した実力派外国人を相手にどう戦うかにも注目が集まる。

また、経験は少ないが勢いに乗るヤングドライバーたちも侮れない。昨年のデビューから大きな存在感を見せつけた平川亮、全日本F3からステップアップしてきた中山雄一、野尻智紀らはトップフォーミュラの経験値が不足してはいるが、ドライバビリティに優れたニューマシン「SF14」が投入されたことで、ニュートラルにマシンのイロハを学び、順応できている。経験豊富なライバルたちにとってはちょっと怖い存在になっていくだろう。

とにかく層が厚いドライバーラインナップ。今年はまずここに注目だ。

次のページではニューマシンの実力について解説しよう。

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