モータースポーツ/その他のモータースポーツ関連情報

スーパーフォーミュラ、2014年プレビュー

ニューマシンSF14を投入し、ターボエンジンの採用で新時代を迎えるスーパーフォーミュラについて分かりやすくプレビュー。ドライバー層の厚さも見所のひとつ。国内トップフォーミュラ、史上最強の戦いが始まる。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

新型マシン「SF14」&新エンジン導入

国内最高峰フォーミュラカーレースの「全日本選手権スーパーフォーミュラ」に、モータースポーツファンの大きな期待が集まっている。2014年から同シリーズはイタリアのダラーラ社が設計した新型シャシー「SF14(エスエフいちよん)」を全車が使用し、ホンダ、トヨタの2社が2000cc直列4気筒・直噴ターボエンジンを供給するレースに生まれ変わる。
野尻智紀

SF14(野尻智紀)

「スーパーフォーミュラ」の歴史を紐解くと、1973年の「全日本F2000選手権」に始まり、「全日本F2」「全日本F3000」「フォーミュラニッポン」「スーパーフォーミュラ」とシリーズ名称やレース規定を時代によって変えながら歩んできた。F2、F3000、そしてフォーミュラニッポンの初期にあたる80年代~90年代にかけては、F1を目指す若手ドライバーが集うトップカテゴリーとして君臨してきたものの、2000年代になるとF1にステップアップを果たすドライバーがほとんど居なくなり、その立ち位置が微妙な状態になっていた。

また、全車が同じシャシー、エンジン、タイヤを使用するワンメイクレースと化した時代もあったため、レースファンの興味は次第にハコ車のトップカテゴリー「SUPER GT」に移っていった。国内最高峰フォーミュラの人気回復を狙い、アメリカ製の独特のフォルムを持ったマシンを導入するなど様々な努力を重ねてきたが、10年間に渡り観客数は減少傾向が続いていた。

ところが、今年はヨーロッパのレース「GP2」に近いフォルムの新型マシンSF14がファンに非常に好評で、スピードもこれまで以上に速くなったことから、今まで離れていたファンからも再び興味を獲得しはじめている。今回はそんな2014年の「スーパーフォーミュラ」のプレビューをお届けしよう。

スーパーフォーミュラの立ち位置

フォーミュラカーレースの最高峰は「F1」である。そのF1を頂点に世界中で様々なフォーミュラカーレースが開催されている。F1の直下のカテゴリーはF1の前座レースとして開催される「GP2」(シャシー:ダラーラ/エンジン:ルノー/タイヤ:ピレリ)があり、位置付けの近いレースとして「フォーミュラルノー3.5/FR3.5」(シャシー:ダラーラ/エンジン:ルノー/タイヤ:ミシュラン)もスペインを中心としたヨーロッパで開催されている。さらに、マシンが旧式ながら位置付けが近いレースとして「AutoGP」(シャシー:ローラ/エンジン:ザイテック/タイヤ:クムホ)も存在し、日本の「スーパーフォーミュラ」はそういったレースに匹敵するシリーズといえる。
GP2

GP2のマシン。SF14と同じダラーラ社製のシャシーでルックスも似ている。 【写真:GP2 Series】

ただ、ヨーロッパの「GP2」「FR3.5」「AutoGP」はあくまで若手ドライバーがステップアップのために参戦する通過点のレースであり、ドライバーは2~3年するとF1やその他のレースにフィールドを移していく(あるいはレーサーの道を諦める)。こういったレースでは、チーム運営もステップアップを目指す若手ドライバーたちからの持ち込み資金に頼っているケースが多い。そういう意味では日本の「スーパーフォーミュラ」はレースが行われる意味合いが少々異なる。若手から経験豊富なベテランまでが集い、プロとして雇われたツワモノ外国人ドライバーも多く参戦している。

2014年は全19人のドライバーが参戦するが。その中で今年は元F1ドライバーが3人、ルマン24時間レースのウィナーが2人と非常に強力なメンバーが集うことになった。

次のページではそんなドライバーラインナップをご紹介しよう。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます