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人口減で競争激化のマクドとモスの将来性は?(3ページ目)

ファーストフード業界のなかでもマクドナルドは業績が急激に悪化しています。しかし、KFCやモスバーガーなど、他のファーストフードにシェアを奪われているわけではありません。むしろ人口減少や、他の外食業界、中食業界との競争に負けているようです。それでは、マクドナルドを含むファーストフード業界の将来はくらいのでしょうか?実は、海外展開が可能なモスバーガーが一番将来性があると見ています。

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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成長性があるのは、実はモスバーガー!

ファーストフード業界は市場環境が非常に厳しくなっていますから、今後の業績拡大は難しいでしょう。けれども、マクドナルドやKFC、モスバーガーの業績は今後も振るわないのでしょうか?

確かに、日本国内の市場環境は厳しいですが、世界に目を向けるとどうでしょう?
世界規模では新興国において人口が急増しています。そして各国の1人当たりGDPは徐々に増加し、外食をする人が増加しつつあります。つまり世界規模でみれば、外食産業の市場規模は拡大しているのです。
日本国内が厳しくても海外進出することで、まだまだ業績拡大が可能だといえます。

それでは、マクドナルドやKFCも海外展開により業績拡大できる、と思うかもしれませんが、答えは「NO」です。
現状、マクドナルドやKFC、モスバーガーが、どれだけ海外展開しているかを見てみましょう。

【図4undefinedマクドナルド、KFC、モスバーガーの海外店舗数の推移】

        【図4 マクドナルド、KFC、モスバーガーの海外店舗数の推移】


マクドナルド、KFCには海外店舗がありません。なぜでしょうか?
日本でマクドナルドを展開する日本マクドナルドホールディングスは、米国マクドナルドとの間でライセンス契約を締結しており、日本国内でのみマクドナルドを展開することが可能です。

また、日本でKFCを展開する日本ケンタッキー・フライド・チキンは、シンガポールのヤム・レストランツ・アジア・ピーティイー・リミテッドとの間でフランチャイズ契約を締結しており、日本国内でのみKFCを展開することが可能です。

つまり、日本のマクドナルドやKFCは、日本国内でしか市場展開ができないので、世界進出ができないのです。

他方、モスバーガーは日本の会社により、日本で誕生したブランドですから、マクドナルドやKFCのような制約がありません。ですから、海外進出も自由に行うことができます。

実際モスバーガーは海外店舗があり、少しずつ店舗数を増加させています。つまり、モスバーガーは日本の84兆円の市場規模に縛られることなく、世界市場で店舗展開を行うことできるのです。

また、モスバーガーは他のファーストフードとは異なる高付加価値路線での差別化をしています。モスバーガーの一般的なイメージは、注文してから作ってくれるので、少し高いけれど、やっぱりおいしい、このようなイメージだと思います。安い、早いイメージのあるマクドナルド、ロッテリア、バーガーキングといった他のハンバーガーショップとは異なる差別化といえます。

また、ライスバーガーといった和風のバーガーなども販売しています。近年の健康志向により海外では和食の人気が高まっています。また、和食の世界無形文化遺産登録により、さらに人気が上昇しているようです。つまり、日本風ハンバーガーチェーンのモスバーガーの海外進出には追い風が吹いているといえます。

このように、日本国内においては厳しい環境にあるファーストフード業界ですが、海外の潜在的な市場規模は非常に大きいといえます。そして、その海外に進出することができて、さらに日本食ブームという追い風も吹いているモスバーガーは、今後の業績拡大余地が大きいといえます。

現在は、マクドナルドやKFCに負けているかもしれませんが、海外進出を拡大させて、日本ブランドとして世界を舞台に、マクドナルドやKFCなどの巨大チェーン店と対等に勝負する日が来てほしいですね!
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