電気自動車・EV/電気自動車・EV基礎知識

日産リーフ 乗ってわかった「真の実力」とは?(2ページ目)

私が電気自動車(EV)事業に携わってから約15年経ち、今まで電気自動車などを含む1000台を超える自動車に試乗をしてきました。今回は特に注目されている電気自動車、日産リーフについて書いていこうと思います。

中島 徳至

執筆者:中島 徳至

電気自動車ガイド

国内外で活躍する日産リーフ

日産リーフは、電気自動車としての性能や環境面におけるゼロ・エミッション社会の実現に向けた活動が評価され、2011年から今までにかけて国内外の多くの賞を獲得しています。

具体的な活動内容の一例として、最近では2013年9月よりリーフ1台と電力供給システムであるLEAF to Home 1基を、各都道府県の「道の駅」に無償提供すると発表しています。もし全都道府県に供給されれば、日常の走行に加え、例えば災害時に停電が起こったとしても、リーフが避難所への電力供給源としても活躍することでしょう。そのほかにも国内では、ガソリン車の代替としてではなく、循環型環境社会を作るため、電気自動車を使用した様々な活動が行われています。
(図)各地での日産の動きundefined中島作成

(図)各地での日産の動き 中島作成

また、その活躍は国内のみにとどまりません。海外でもその存在感を見せつけています。欧州では緊急車両としてリーフを導入するケースが増えているそうです。財政難により、燃料コストを少しでも抑制する狙いで電気自動車の導入が進んでいます。警察や消防隊、救命救急チームなどのコミュニティーサポート車両としてこれからも電気自動車の活躍が期待できます。

日産リーフ試乗の感想 欠点を克服?

このように活躍の幅を広げるリーフですが、実際に車両の乗り心地や性能に関して気にかけている人も多いのではないでしょうか。私が初めてリーフに試乗したのは、2010年12月でしたが、当時はリッターカークラスの電気自動車は、巡航距離の問題で使い物にならないのではないかと考えました。

しかし、一旦試乗すると一般的なガソリン自動車同様のクリープ現象が再現されていたり(停止時にブレーキから足を放すとゆるやかに前進)、上り坂で一旦停止し再度発進する際にはモーターをスムーズに回転させるための制御が難しいのですが、その部分がうまく処理されている点など、日産の電気自動車の歴史を感じる事ができました。

私は事あるたびに、愛媛県松山市に出かけ道後温泉がある裏山の峠道を今治市に向けリーフのハンドルを握り、往復で100km程の登坂路のチェックを行いますが、特に下り坂でエコモードを使用した回生が効果を発揮し、約15km程走行距離を回復してくれます。

日産リーフは性能や信頼度の高い電気自動車であり、多くの挑戦が感じられるクルマです。そして少しずつではありますが世界中の人々から受け入れられはじめています。電気自動車の市場や用途、そして購入者が多様化しており、今後はリーフを始め多くの実用的な電気自動車が市場に出回り、より良い社会を作ることに貢献していくことでしょう。


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