日本一遅い「北の春」を楽しむ
本州では桜が散り、新緑が芽吹く4月中旬頃、北海道ではようやく遅い春がやってきます。雪どけとともに春を待ちかねた草花が一斉に咲き出し、桜の開花と同時に北海道の人々も生き生きと活動しはじめます。ここでは北海道で「日本一遅いお花見」を楽しむことができる桜の名所おすすめ7選を紹介します。北海道の桜はゴールデンウィークが見頃
<INDEX>
1. 松前公園の桜(松前町)
2. 五稜郭公園の桜(函館市)
3. 有珠善光寺自然公園の桜(伊達市)
4. 北海道神宮の桜(札幌市)
5. 農試公園の桜(札幌市)
6. 新川桜並木(札幌市)
7. 静内二十間道路の桜並木(静内二十間道路の桜並木)
松前公園の桜(松前町)
日本最北の城下町、松前町。ここにある松前公園は、1万本の桜が咲き誇る北海道では有数の桜の名所です。一番の見所は公園内にある北海道ただ一つの城、松前城の桜。白いお城とピンク色の桜とのコントラストは、まさに絵に描いた日本の姿そのものです。松前城の桜
ゴールデンウィークから5月中頃の桜の季節には「松前さくらまつり」というイベントが開催され、江戸時代の武者に扮装したパレードや桜の講習会、また夜には桜のライトアップなど様々なアトラクションが楽しめます。
また、140品種にもおよぶ桜をひとつの場所に植えている「桜見本園」や桜に関する書籍、絵画、写真、桜の皮を使った工芸品等が展示されている「桜資料館」(桜まつりの期間のみ開館)など桜の資料も充実しています。桜に関する様々な知識を得ることもできるので、公園内をじっくり見て歩けば、あなたもきっと「桜博士」になることができるでしょう。
水面に映る松前城
住所:北海道松前郡松前町松城
アクセス:JR木古内駅から函館バス松前行きで90分、「松城バス停」下車徒歩7分
問合せ先:松前町ツーリズム推進協議会 0139-42-2726
ホームページ
函館バス:0138-54-4471
「第72回松前さくらまつり」2019年4月27日~5月15日に開催予定
INDEXに戻る
五稜郭公園の桜(函館市)
五稜郭は、江戸の幕末にフランスの城をモデルにして作られた、世界でも珍しい星形の城郭です。ここの星形の堀に沿って約1600本の桜が植えられており、桜が満開となるゴールデンウィーク頃には花見を楽しむ函館市民や多くの観光客で賑わいます。ここの見所の一つは、お堀の水面に映る桜の美しさ。天気が良い日は、空と堀のブルーとそこに浮かぶ桜のピンクのコントラストに目を奪われます。
堀の水面に映える五稜郭公園の桜
五稜郭に来たら、ぜひ公園内にある五稜郭タワーにも登ってみたいものです。タワーの展望台から見下ろす「星形の桜」は、バックに見える函館の町と相まってきっとその光景に圧倒されてしまうことでしょう。
五稜郭タワーから見下ろす「星形の桜」
地上から見上げる桜と展望台から見下ろす桜を、上と下の両方から贅沢に桜を楽しめるというのも、ここ五稜郭ならではの魅力。またシーズン終盤に入ると散った桜がお堀の水面をピンクに彩る絵画的な風景も楽しめます。
なお、4月末から5月中旬の桜の時期は、夜になると五稜郭公園に提灯が並び、桜もライトアップされるので、昼間とはまたひと味違う「夜桜の風情」を楽しむ事ができますよ。
<DATA>
五稜郭公園
住所:函館市五稜郭町44
アクセス:市電「五稜郭公園前」下車徒歩約15分、
函館バス「五稜郭公園入口」下車徒歩約7分
問合せ先:函館市観光コンベンション部 0138-21-3383
ホームページ
五稜郭タワー
住所:函館市五稜郭町43-9
展望料金:大人900円、中高生680円、小学生450円
TEL:0138-51-4785
ホームページ
関連記事
函館冬の観光・パワースポットと見所2019
INDEXに戻る
有珠善光寺自然公園の桜(伊達市)
伊達市にある桜の名所、有珠善光寺自然公園
洞爺湖の南、伊達市にある桜の名所、有珠善光寺自然公園。面積約9.8ヘクタールを有する広大な公園には1400年の歴史を誇る名刹・有珠善光寺をはじめ展望台や芝生広場もあり、夏の紫陽花、秋の紅葉、冬の雪景色と一年を通じて様々な表情を見せてくれますが、その中でも一番は春の桜。
5月のGW後半に入ると園内に植樹されたエゾヤマザクラやソメイヨシノ、オオヤマザクラなどおよそ1000本にも及ぶ桜がそれぞれの時期にあわせて開花していき、長い期間にわたってお花見を楽しむことができます。
岩を割って咲く「石割桜」
園内には「石割桜」と呼ばれる、樹齢200年のエゾヤマザクラがあります。大きな岩を割って天に伸びるその姿は「硬い岩を貫くシンボル」とされ、受験合格を願う受験生やこれから新しい人生にチャレンジする起業家たちは「難関突破の願い」を込めてここを訪れます。
北海道遺産にも認定された有珠善光寺
桜を眺めながら公園の散策路を歩き、その先の有珠善光寺まで足をのばしてみましょう。蝦夷三官寺として北海道遺産にも認定された名刹ですが、その藁ぶき屋根の本堂と桜の風景は、道内ほかのお花見スポットにはない独特の雰囲気を醸し出しています。
本堂は一般開放されており、無料で見学できます。桜を愛でながらご本尊に手を合わせ、しばし静ひつな時間を過ごす…そんな味わいのあるお花見を楽しむことができるのも、有珠善光寺ならではと言えましょう。
〈有珠善光寺のDATA〉
住所:伊達市有珠町124
アクセス:JR有珠駅から徒歩約25分
問合せ先:有珠善光寺 0142- 38-2007
ホームページ
INDEXに戻る
北海道神宮の桜(札幌市)
札幌市民にとって「祈りの場所」であると同時に、道内最強のパワースポットの一つでもある北海道神宮も、春のゴールデンウィークに入って桜が参道を彩る頃になると「お花見スポット」としてその姿を変えます。札幌のお花見の名所、北海道神宮
例年4月末から5月初旬にかけて参道に植えられた約1300本の桜は一斉に開花し、正面の第2鳥居から本殿に至る道は見事な桜のトンネルで覆われます。
参道には見事な桜のトンネルも
また、境内の桜と同時に梅林に植樹された200本の梅もこの時に開花。園内では紅梅、白梅と桜が同時に咲き誇り、境内に棲む野鳥たちの歌声に耳を傾けながら贅沢なお花見を楽しむことができます。
梅と桜の贅沢なお花見
桜の楽しみ方は様々。近くのコンビニでお弁当や飲物を買いこみ、地元の人に混じってお花見をするのも良し。またちょっと早起きして人気が少ない早朝に出向き、聖域の清純な「気」を吸収しながら桜の色と花の香りをじっくり味わってみるのもおすすめです。
御神門横の島判官像を彩るしだれ桜
北海道神宮のもう一つの桜の見所は、開拓神社。神宮本殿から円山公園に向かう参道の途中にあり、ここには札幌の町作りをした島判官をはじめ37人の開拓功労者がご祭神としてお祀りされています。
実はこの開拓神社、パワースポット・北海道神宮の中で最も強力なエネルギーが流れている場所で、言わば「龍の通り道」。ゴールデンウィークを過ぎる頃、開拓神社本殿脇の大きな八重桜も見事に咲き誇ります。お花見を楽しみながら風水パワーをゲットするには、もってこいのスポットですよ。
パワースポット・開拓神社の八重桜
<北海道神宮のDATA>
住所:札幌市中央区宮ヶ丘474
アクセス:地下鉄「円山公園駅」より徒歩10分
問合せ先:北海道神宮 社務所 011-611-0261
ホームページ
注:2019年よりジンギスカンなど焼き台使用は禁止となりました。また、境内にはごみ箱が設置されていませんので、個人で持ち帰る必要があります。
関連記事
風水から見た札幌のパワー
北海道神宮でご利益を得る五訓。北の聖地で開運!
INDEXに戻る
農試公園の桜(札幌市)
札幌市民の憩いの場であり人気のお花見スポット、農試公園。ここは北海道農業試験場の跡地につくられた運動公園ですが、敷地面積12.4ヘクタールという広大な園内にはエゾヤマザクラやソメイヨシノなどおよそ250本の桜が植樹されており、休日には家族連れを中心に地元のお花見客で賑わいます。地元のお花見客で賑わう農試公園
園内には野球場やテニスコート、ゲートボール場などの運動施設の他、自由に工作ができる「トンカチ広場」や遊具施設、遊びながら交通ルールが学べる「交通コーナー」など子供向けの設備も揃っています。ここでは無料で自転車の貸し出しも行っており、サイクリングでお花見を楽しむちびっ子の姿も。
サイクリングでお花見を楽しむちびっ子
また公園の一角にはD51、通称「デコイチ」と呼ばれる蒸気機関車も展示されており、その勇壮な黒い姿とたおやかなピンク色の桜のコントラストがお花見に訪れる人々の目を楽しませてくれます。
園内に展示されている蒸気機関車
旅の合間に札幌市民に混じってアットホームなお花見を楽しむ…、ここ農試公園はそんな体験をするにはうってつけのスポットと言えるでしょう。
〈農試公園のDATA>
住所:札幌市西区八軒5条西6丁目95-21
アクセス:地下鉄東西線「琴似駅」、「宮の沢駅」から『琴40番 琴似八軒線 八軒5条1丁目経由』バス乗車 、「八軒6条西5丁目」停留所下車徒歩1分
問合せ先:農試公園管理事務所 011-615-3680
ホームページ
INDEXに戻る
新川桜並木(札幌市)
札幌の北区から日本海に流れる琴似川・新川の川沿いには「新川桜並木」という地元民に愛される桜の名所があります。「新川通」と呼ばれる道路脇に植樹されたその桜の並木は、北区7.5kmと手稲区3kmをあわせてその長さは何と10.5km!直線の桜並木としては日本一の長さを誇る桜並木です。日本一長い新川桜並木
愛犬と一緒にお花見散歩
すぐ眼の前に桜の花が…
〈新川桜並木のDATA〉
住所:北海道札幌市北区北24条西16丁目付近
アクセス:JR八軒駅より徒歩約12分
問合せ先:札幌市北区役所 011-757-2400
INDEXに戻る
静内二十間道路の桜並木
新ひだか町は北海道の南東部、札幌と襟裳岬を結ぶ中間地点に位置する小さな町。「ここの人口25000人が、桜の咲く時期だけ10倍近くにふくれあがる」と言ったら、皆さんは信じられますか?幅36m、直線で約7kmという長い道の両脇に咲き誇る桜は、その数2200本!(2019年に本数を修正)。 通称「静内二十間道路の桜並木」を見るため、桜の開花時期に北海道内だけでなく全国から20万人にも及ぶ観光客達が押し寄せてくるからなのです。
ここの見所は、どこまでも果てしなく続く「桜のトンネル」。風が吹けば周囲の風景ははらはらと散る桜の花びらで一面ピンクに覆われ、まるで淡い色彩の絵画の世界に迷い込んだような錯覚に囚われてしまいます。
圧巻!静内二十間道路の桜並木
「日本の道百選」や「さくら名所100選」、また「北海道遺産」などにも選ばれており、ここは北海道で一番、いや、地元の方々が自慢するように「日本一の桜並木」と言っても過言ではありません。札幌から距離もあり、アクセスも不便な静内の桜並木。でも時間をかけて行くに価する素晴らしい桜を満喫できることは請け合いです。
北海道遺産にも選ばれた名物の桜
なお、2019年も桜の開花にあわせて「しずない桜まつり」が開催されます。期間中は飲食の屋台や地元特産品コーナーが建ち並ぶ他、数々の貴重な資料を展示している「龍雲閣」の一般開放なども行われる予定ですので、ぜひこちらも合わせてご覧ください。
イベント期間は桜の下に屋台が建ち並ぶ
<静内二十間道路の桜並木のDATA>
住所:北海道日高郡新ひだか町静内田原
アクセス:札幌から静内駅まで道南バス「高速ペガサス号」で約2時間30分、ここから桜まつりイベント会場まで臨時バス(イベント期間のみ運行)で30分
問合せ先:観光情報センター ぽっぽ 0146-42-1000
ホームページ:桜並木どっとこむ
「第56回しずない桜まつり」 2019年5月1日(水)~6日(月)
INDEXに戻る