MITSUBISHI(三菱自動車)/三菱

広さを実感できるeKスペースはファミリーに優しい(4ページ目)

三菱と日産による共同開発軽自動車第二弾が登場した。eKスペース/デイズルークスは限られたサイズに広い室内と使い勝手、後席乗員に優しい装備などを盛り込んだ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

重要な広さと使い勝手はどうか?

リヤシート格納

後席座面下にスプリングがあり、背もたれを前に倒して(ロックさせず)そのまま後席足元に格納させる。慣れれば荷室側からもできないことはないが、力がいるのでドア側から操作する必要があり、前席も前寄りにスライドさせてから格納させる

カタログ燃費をむやみに追わなかったeKスペース/デイズルークスだが、スーパーハイトワゴンで肝心の広さはどうだろうか。

結論からいえばかなり広い。天井は見上げるほど高く、後席の足元スペースも広々している。後席は左右別々にスライドが可能で、3ステップで後席を床下にフラットに格納できるし、じつは慣れれば流れるようにほぼワンアクションで操作が完了する。
ラゲッジ

路面から開口部下側の高さはN BOXほど低くはないが、自転車を立てて積載できる1400mmの室内高が自慢だ

後席を格納すれば、自転車などを立てたまま積み込める室内高と奥行きを備えているから、急な雨などで「自転車ごと迎えに来て」という家族の連絡にも対応できる。

室内高1400mmはクラストップで、日産セレナよりも高く、新型ヴォクシー/ノアの1400mmと同値。小さな子どもが立ったまま着替えができたり、チャイルドシートに乗せたりする際なども楽だろう。

広さでは後発のアドバンテージを感じさせるeKスペース/デイズルークスだが、乗降性のインパクトではタントのミラクルオープンドアには敵わないし、スペーシアと比べても倍広いわけはなく、どんぐりの背比べといえなくもない。

そうなると、安全装備や快適装備、燃費などトータル性能で選ぶという人も出てくるはずだ。安全装備では残念ながら衝突回避・軽減ブレーキは「間に合わず」で、商品力を考えると、もう商品化のメドは立っているようだから、早急に設定する必要があるだろう。

子どものいるファミリーにうれしい装備が揃う

リヤサーキュレーター

スーパーハイトワゴン初のリヤサーキュレーターは後席にも風を送ることができる。風向きは上下左右、風量は3段階で調整可能

装備では後席にも風を送れるリヤサーキュレーターやロールサンシェードなど、子どもでなくてもうれしい装備が用意されているのは評価できる。

まとめると、燃費と安全装備では課題も残るが、室内の広さや260mmのロングスライドなど後席を含めた荷室の使い勝手も頑張っているし、マジメに作られている。小さな子どもがいる家族が便利に使える広さと機能が揃っているのは確かだ。

だが、少し設計思想の異なるN BOXは驚異の低床設計で、荷室が低く大きな荷物の積載はしやすい。N BOXを含めたスペーシア、タントと比べて圧倒的なアドバンテージはないというか、もうスーパーハイトワゴンのパッケージングも限界に達しているのではないかと思わされるニューモデルでもある。

※この記事は2014年3月に公開されたものです。記載されている情報は公開当時のものとなります。

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