誰もが意のままに操れるクルマであるために……

従来の4WDシステムに加え、ASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール)が追加されたのがポイント。さらに、エンジントルク情報、ブレーキ圧センサー、ヨーレイトフィードバック制御などの採用により、あらゆる走行状況下でドライバーの操作に忠実な車両挙動を実現。価格はTC-SSTが375万600円、5速MTが349万5450円

ランサーエボリューションの最新モデル、通称「エボX(テン)」が10月1日に発売されました。歴代ランエボは、エンジンパワーを余すことなく路面に伝え、意のままに曲がることを至上命題とし、駆動力と制動力の制御に注力してきました。

この一貫した哲学のもと、これまで大きく分けて3世代計13モデルにわたって進化を続けてきました。エボXもその哲学を引き継ぎつつ、ボディ&シャシー、エンジン、トランスミッションなど、走りに関わる重要な部分を一新しています。また、ランエボ独自の「AYC」(アクティブ・ヨー・コントロール=後輪左右のトルク差を制御し、旋回性能とトラクション性能を向上させるシステム)「ACD」(アクティブ・センター・デファレンシャル=前後輪間の差動制限力を制御し、操舵応答性とトラクション性能を向上させるシステム)には、従来のセンサーに加えて、新たにヨーレイトセンサー、ブレーキ油圧センサーと、エンジントルクや回転数などの情報が追加され、一段と緻密な制御が可能となっています。

RECARO社との共同開発により専用にチューニングされたバケットタイプのフロントシートを装備。生地にはスエードの質感に近いニットを採用。本革とグランリュクス(スエード調人工皮革)を組み合わせたレザーコンビネーション仕様もオプションで選べる

スポーツABSに加え、新たにASC(アクティブ・スタビリティ・コントロール)が加わったこともポイント。エンジン出力と4輪のブレーキ力を個別に制御することで、アンダーステアが出そうになると、いわば強制的にクルマを曲げるためのコントロールを行ないます。これらを「S-AWC」(三菱自動車の4WDを格とした最新の車両運動統合制御システム)の思想のもとに統合制御することで、エボXのハンドリングは、ドライバーの意図どおりにクルマが動くことを追求しています。

結果、先代のエボ9MRではいささかトリッキーな挙動をみせたようなシーンでも、新型のエボXは非常にリニアな動きでクリアします。曲がるといっても、決して曲がりすぎるわけではなく、あくまで安定した中で、制御が行なわれます。タイヤのグリップ力の物理的限界が高くなったのでは?と錯覚を覚えるほどです。

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