今度のNAエンジンのパワーは大丈夫か?
三菱のeKスペースには、ノーマル仕様のeKスペースとドレスアップしたeKスペース カスタムを設定し、前車はNAエンジンのみ、後者はNAとターボを用意している。試乗前に気になっていたのが、NAエンジンのパワーだ。第一弾のeKワゴン/デイズのNAエンジンには、最高出力は同じ49psながら燃費を重視して最大トルクを56Nmに抑えた「M」と「G」グレードと、最大トルクを59Nmとした「E」が設定されている。
燃費重視の56Nm仕様は、平坦路でも明らかに加速力が鈍く、これが首都高速や幹線道路への合流や、比較的速い流れで走る一般道でも信号待ちから再発進する際も非力を実感させられるもので、急な勾配などでは軽自動車とはいえ明らかにアンダーパワー。
こうした声が多く集まっているはずで、eKスペース/デイズルークスの発表会でも「目先のカタログ燃費を追わずに、必要な動力性能を確保した」とコメントが聞かれていただけに、NAエンジンの走りっぷりは気になる点だ。
49ps/59NmというeKスペースのNAは、eKワゴンのNAエンジンの「速い方」と同じで、30分ほどという非常に短い時間だが、実際に走らせてみると、街中であればという条件付きではあるものの、必要最低限の加速力は備えているように思えた。
eKワゴンよりも120kgほど重くなっているので速くはない。でも、街中中心で日常の買い物や送迎などで使うのであれば、少なくても遅くて怖い思いをすることはないはずだ。
しかし、高速道路も使いたいという人や、坂道の多い地域や北海道など一般道でも速度域の高い地方では、64ps/98Nmのターボをチョイスしたほうがパワー的には無難。ターボなら高速道路でも流れをリードすることもできるし、坂道も苦にしない加速力は捨てがたいものがある。
ただし、燃費はNAの26.0km/Lに対して、ターボは4km/L近く落ちる22.2kmなので燃費も重要視するなら迷いどころだろう。
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