金融商品、という違和感をハックする
ファイナンシャルプランナーは「金融商品」という言葉をよく使います。これは金融機関が販売する預貯金や債券、株式や投資信託等をひとくくりに示した言葉です。法律用語としても金融商品という定義があります(金融商品取引法など)。ところが、投資の初心者の人と話をしているとこの「金融商品」という言葉に違和感を覚える人が多いようです。「商品」というイメージはモノであって、お金に「商品」というのはおかしい、という感覚です。
今回はこの話題をマネーハック的に考えてみましょう。実は「金融商品」という言葉への違和感を整理すると、お金とのつきあい方の発想転換ができるからです。
しょせん「商品」だと割り切ることが大事
いわゆる「商品」のシンプルな例として、「お菓子」を取り上げてみましょう。コンビニに100円のお菓子があって、それが欲しいと思ったら、レジにいって100円を対価として支払うことで自分のものとすることができます。いつ食べるかはあなたの自由です(賞味期限はありますが)。職場の同僚が欲しがったら、100円で(あるいは110円で!)譲ることもあるでしょう。
金融商品も基本的にはこれと同じです。ある会社の株を1万円で買ったとします。そのまま持ち続けて株主でいてもかまいませんし、誰かに株を譲り渡してもかまいません。この場合、買いたがっている人との意見がまとまれば、高く売ることもあれば、買ったときより安く手放すこともあります。
お菓子などのモノと金融商品が少々違っているのは「時価」があることで、株式などは日々購入価格が変わります。ただ、お寿司のように「時価」で買えるものもたくさんありますので、金融商品だけの特徴ではありません。
手数料を支払うことがあるのも金融商品の特徴で、株や投資信託を売買したりすると売買手数料や運用の手数料を支払います。しかし、これも車検のサービスをディーラーに頼むように「手数料」がかかることはたくさんあります。やはり金融商品だけの特徴ではありません。
買ったときと売ったときの値段が変わるのが金融商品の特徴だという人もいますが、ヤフオクなどに出品すれば、買ったときより高くモノが売れることはよくありますし、ブックオフなどで手放した場合に買ったときより売ったときのほうが激安ということもよくあります。
いずれにせよ、「金融商品は特別なもの」とあまり考えない方が賢明です。特別視すると、冷静に判断ができなくなるからです。もしかすると、損をしているかもしれません。