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「金融商品」という言葉に慣れるとダマされなくなる(2ページ目)

「金融商品」という言葉にまだなじみがない人も多いと思います。銀行のイメージと「商品」というイメージのギャップを乗り越えると、お金に対する見方が変わってきます。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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神格化から脱却することが大切

銀行で販売しているものを「これは商品ではない」とラベリングすることはある意味、金融商品を普通の商品と比べて神格化しているようなものです。より一歩上にあるものと見なしているわけです。

しかし、お金で買い、お金で売ることができることを考えればお菓子や車などと何も変わりはありません。むしろ神格化をやめることで、心に余裕が生まれてきます。

私たちは知らず知らずのうちにラベルを貼って物事を整理し、順位付けしています。そのほうが簡単だからですが、無意識に誰かを神格化してしまうこともあります。

いい大学を出た人に無条件で敬意を払うとか、上司の言うことは無批判に受け入れるようなものがその例です。金融商品や金融機関の職員に、いいラベルを貼ってしまうと、私たちは冷静に判断ができなくなってしまうのです。

金融機関の職員も「セールスマン」だと思うこと

「金融商品」として考えられるようになると「銀行員もセールスマンに過ぎない」と割り切れるようになります。これはとても大事な考え方です。

車のディーラーの販売員は車を売ると営業成績が上がりボーナスをたくさんもらいます。お客さんが満足するのは前提ですが、1台でも多く売りたいと考えているはずです。誰でも、そうした構図は理解できると思います。

銀行員や証券マンも基本的には同じです。あなたに金融商品をたくさん買ってもらうと、彼らの業績が増え、彼らのボーナスの査定にも影響します。できれば1円でも多く金融商品を買ってもらいたいと考えているはずです。

しかし、なぜか銀行員は「私たちのよき相談相手」であり「無私の立場からアドバイスしてくれる」と信じている人が多いのです。(証券マンに対しては警戒心を持つ人も多いですが)

住宅ローンでも、投資信託でもNISAでも、銀行員はたくさん販売してくれば、高い評価を受けるようになっています。あなたの本当の利益と、彼らの自己評価とを常に天秤にかけているわけです。もちろん両方満たされれば理想的ですが、そうでなかったとしたらどうでしょうか? その区別をあなたは見分けることができるでしょうか。

ぜひ、あなたの心のラベルをはがしてしまってみてください。「金融商品」をあくまで商品と考え、「金融機関の職員」をあくまでセールスマンと考えられるようになれば、あなたはカモにならずお金を増やせるようになるでしょう。
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