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なぞの転校生:意外なルーツは同じ「転校生」の……

テレビ東京系深夜の『なぞの転校生』、叙情的雰囲気のSFドラマで、アラフィフには懐かしい70年代作品、NHKの「少年ドラマシリーズ」を思い出させます。しかし、ルーツをたどるともう一つの『転校生』がありました。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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テレビ東京深夜、ドラマ24枠で放送の『なぞの転校生』が好調です。

岩田広一(中村蒼)が通う高校に山沢典夫(本郷奏多)という転校生が入ってきた。謎めいた雰囲気の美男子、典夫は実は別の世界からある目的でやってきていて……

という学園SFドラマ、テンポはゆるめで叙情的、その中にもスマホのデザインコンセプトモデルみたいな「モノリス」など確かなSFマインドがあります。原作は1965年に学研の中学生向け学習誌に連載された眉村卓の小説。現代でドラマ化しても、ラノベじゃなく、久々の「ジュブナイルSF」という感じになります。

 

原点は70年代

このジュブナイルSFの人気を高めたのは1972年からNHKで放送された少年ドラマシリーズ。ミステリー、純文学、児童文学、コミックなどバラエティにとんだ作品を放送しましたが、人気ナンバーワンはSF。
シリーズ第一作が筒井康隆『時をかける少女』が原作の『タイム・トラベラー』。
『なぞの転校生』も初めて映像化しました。少年ドラマシリーズ版の主人公・岩田広一役の高野浩幸はテレビ東京版では広一の父親役で登場とレスペクトしています。

その後もジュブナイルSFが少年ドラマシリーズにたびたび登場し、当時の少年たち、現在のアラフィフ世代のSFマインドを育てました。テレビ東京版『なぞの転校生』の企画・脚本を担当する岩井俊二監督も1963年生まれの現在51才、世代的にどストライクです。

少年ドラマシリーズのジュブナイルSF作品の中でも筒井康隆、眉村卓原作のものはその後も次々とドラマ化、映画化されていきます。その中でもシリーズとしてまとまってリメイクされたものを表にまとめました。
少年ドラマシリーズのリメイク作

         少年ドラマシリーズのリメイク作


80年代以降にリメイク

大林宣彦監督映画では1980年代初め、少年ドラマシリーズ初リメイクの『ねらわれた学園』(少年ドラマシリーズでは『ねらわれた学園』と『地獄の才能』の二つを原作にしたのが『未来からの挑戦』)と尾道シリーズの二作目『時をかける少女』。

  
「ぼくたちのドラマシリーズ」はフジテレビで92~94年に放送されたシリーズで、シリーズ名からして「ぼくたちの(少年)ドラマシリーズ」です。

『幕末高校生』はタイトルは違いますが眉村卓の『名残の雪』を原作にした『幕末未来人』のリメイク。『時をかける少女』は内田有紀主演。
また「ぼくたちのドラマシリーズ」の後継企画的な「木曜の怪談」シリーズの中で、『七瀬ふたたび』が水野真紀主演で制作しています。

本家・NHKでも少年ドラマシリーズを見て育った世代のスタッフにより復活の気運は高く、「ドラマ愛の詩」シリーズとして実現。その中で『幻のペンフレンド2001』で加藤夏希がアンドロイド少女を演じています。
「ドラマ愛の詩」終了後も木曜20時台でティーン層を狙った「ドラマ8」枠で蓮佛美沙子が七瀬を演じています。

次は「少年ドラマシリーズ的な映画とは

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