幅広く使われるよもぎ……魔除けから草餅、よもぎ風呂まで

よもぎ,ヨモギ,蓬,機能性,健康,香り

注意深く見ると、道端にもよもぎを見つけることができます。

よもぎは、全国各地の山野や草原はもちろん、日当りのよい土手や道路の片隅でも簡単に見つけられる、とてもなじみのある野草の一つです。私自身も、子どもの頃母や姉と摘んで、草餅を作った思い出があります。

よもぎの独特の香りは、若々しい命の息吹が感じられます。北海道の古い伝説では、「最初に大地に生えた神様からの授かり物」として大切にするように伝えられているそうです。

よもぎの代表的な食べ方は、草餅や雛祭りの菱餅の緑に使います。平安時代の頃にはハハコグサが使われていましたが、江戸時代にはよもぎになったとか。沖縄の伝統食の山羊料理にもよもぎの香りを生かして作られますし、よもぎパンなどに使われるのは一般的ですね。

よもぎは、食べるだけでなく、行事や手当にも欠かせないものでした。端午の節句には菖蒲を軒に飾ったり、湯に入れたりしますが、よもぎも軒先に飾る習慣があり、その香りが邪気を払うと考えられていました。

手当法では、虫さされに草をもんで生汁をつけたり、止血にも使われるので血止め草とも呼ばれます。煮詰めた煎じ汁は、健胃やあせもなどの皮膚に、冷えや腰痛、生理痛などには干葉を入れてよもぎ風呂にと、幅広い用途があり、たいへん重宝されてきました。

中国では艾(ガイ)という字がヨモギをさし、和漢生薬名は艾葉(ガイヨウ)といいます。お灸のモグサの原料も、じつはよもぎの葉の裏の毛を集めたもので、これにちなんでよもぎを「善燃草」とも呼びます。モンゴルやヨーロッパなど世界各地でも、よもぎは食用、薬用として使われてきた歴史があります。