子供に求めるものには、ママの心が映し出されている

私は育児相談のはじめに、まず、「お子さんに求めるものは?」というご質問をします。そこには、ママそれぞれ、お子さんに託す思いが書かれています。
  • 自分の意見をしっかり言える子
  • お友達とうまくやっていける子
  • 思いやりのある子
  • 自主性のある子
  • 人の痛みが分かる子
私がこれを書いていただくのは、ここにそれぞれのママの育児軸を見ることができるから、というのが第一の理由。しかし、もう1つ大事な役割があって、ここには、「自分がそうなりたかったけれどなれなかった」「子供にはそうあって欲しい」という投影された姿が映し出されることもあるから。

自分の母親の育児を思い起こす

誰しも、自分が母親になると、母親になった自分と自分の母親とを照らし合わせることがよくあります。それは、今の自分と重ねることだったり、比較することだったり……。

自分の幼少時を思い起こしては、「お母さんは私にあんなことをしてくれたな」「こういうところだけはすごく○○だったな」など、これまでの「お母さん」という存在を超えて、1人の母親としての「母業」を思い出してみるのです。

それら全てがいい思い出ばかりであればいいのですが、なかなかそうはいきません。その過程で、心の中にいる「お母さん」とぶつかることもあります。ひそかに「イヤだな」「辛いな」と思っていたけれど、ずっと言えずに心の奥底にしまいこんでいた思いがフッと湧き出ることがあるのです。

これらが、冒頭に書いた「お子さんに求めるものは?」という質問につながります。ここに「心の奥底にしまいこんでいた思い」が描かれていることがあるのです。

それがどういうことかというと……。

「小さいころ、お母さんが怖くて、思ったことを口に出せなかった」
⇒ 「だから我が子には自分の意見をしっかり言える子になってほしい」

「小さいころ、お母さんに感情的に怒られるのがとてもイヤだった」
⇒ 「だから私は感情的に叱りたくない。そして、我が子にも情緒の安定した子になってほしい」

「母親の○○なところがイヤだった」という思いが、「自分は母親として○○はしたくない」「我が子にはそういう思いをさせたくない」という気持ちを起こさせるのですね。

もちろんすべてがこのパターンなのではありません。例えば、「私のお母さんは私の意見をいつも尊重してくれて嬉しかった。だから我が子にもそれをそのまま受け継ぎたい」というポジティブパターンもあります。この見分けは、お話を伺えばすぐに分かります。

いずれにしても、自分の幼少時の環境が、自分の育児軸に影響をしていることはとても多いのです。

>> 次ページでは、このような葛藤を解消する方法についてご紹介します。