テクノポップ meets 渋谷系
ここまでロシア及びソ連のテクノポップを紹介してきました。今回、紹介するのは、比較的最近のグループ、ネージェノエ・エータ(Нежное Это)。直訳すると、「やわらかい、それ」…なんのこっちゃ分かりませんね。ロシア語の先生に尋ねてみたんですが、意味的には「ゆるふわさん」みたいな感じで捉えていいのかと。ロシアでは、ラウンジ系とかトイポップみたいな括りにされているようですが、僕には「テクノポップ meets 渋谷系」のように聴こえます。男二人に女一人
首謀者は、愛称メル(Мел)ことイゴーリャ・メルニコヴ(Игоря Мельников)。メルは様々な顔を持ち、アーティスト、ミュージシャン、ラジオ局のディレクター、そして広告代理店のクリエイティヴ・ディレクターでもあります。二人目のメンバーは、愛称スセル(Сусел)ことセルゲイ・ススリン(Сергей Суслин)。彼は、メルのラジオ局にデモを送っていた学生。そこに女子のヴォーカリスト、アニェーチカ(Анечка)が加わります。ミューズリー音楽
彼らは、自分たちの音楽をミューズリー音楽(мюсли-мьюзик)と呼んでいます。ミューズリーを調べてみると、未精製・未調理の穀物やドライフルーツなどを混ぜたスイス由来のシリアル食品とあります。ミューズリー音楽……なんのこっちゃさっぱり分かりませんね。ミューズリーは、スラングで「考え」という意味もあるそうです。人間の脳に対するミューズリー、つまりいろいろなアイデアを混ぜた精神衛生によくオシャレな音楽……そんな思いで命名されたようです。グロかわなアニメ
デビュー・アルバムは、『Снежное Лето(夏の雪)』(2002年)。収録曲の「Будущее прекрасно (未来は素晴らしい)」はアニメーションによるクリップが製作されています。このアニメのセンスがぶっ飛んでいます。日本人にはないグロかわいいセンス。爆発により女の子が空に飛ばされてしまう話。女の子の脳みそがはみ出しているではないですか! しかし、全く悲壮感がない。そして、未来は素晴らしいと! 捻くれたブラックユーモア!? 全体にラウンジポップなのですが、突如ヘビメタ風ギターになったり、遊び心に溢れています。Будущее прекрасно (未来は素晴らしい) (YouTube)