ディズニー初のWヒロイン
3月14日公開の映画『アナと雪の女王』の原案は、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「雪の女王」で、主人公はディズニーアニメーション史上初のダブルヒロインです。姉のエルサは優雅で落ち着きがあり、慎重に考えて行動するタイプ。感情を内に秘め、人に心を開きません。それに対して、妹のアナは、明るくて楽観的。頭で考えるよりも、先に行動するタイプで、人を簡単に信じて自分を無邪気に表現することができます。(c)Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
触れるものを凍らせる力を持つ姉エルサはその力を制御できず、真夏の王国を冬の世界に変え、自らも雪の女王になってしまいます。妹のアナは姉と王国を救うため、山男のクリフとその相棒のトナカイ、雪だるまのオラフとともに山奥へと旅に出ます。凍った世界を救うカギを握るのは、真実の愛ですが……。
アナを大切に思うから距離を置こうとするエルサと、心を閉ざす姉エルサと昔のような絆を取り戻したいと願うアナ。アンデルセン版は、心が凍ってしまった少年カイと、彼を救おうとする少女ゲルダの物語ですが、秘密の力を持つ雪の女王になったエルサはミステリアスな存在というより、感情を抑えて人を遠ざけることで自分のパワーをコントロールしようと葛藤する一人の女性として描かれています。
そして、この作品の最大の魅力は「おとぎ話から生まれたディズニー映画」と聞いて思い浮かべるような結末ではないこと。主人公のエルサとアナの戦うべき敵は魔女でも不気味な怪物でもなく、自分自身の中にある“恐れる心”です。