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デンタルケア:「犬の歯について学ぶ」編(2ページ目)

昨今では人間同様、犬達も歯周病に悩まされるケースが多くなっています。放っておけば大きな病気につながってしまうことも。犬の歯について知ることで、歯磨きの大切さがよくわかります。

大塚 良重

執筆者:大塚 良重

犬ガイド

犬の歯列:上顎の第4前臼歯は意外に折れやすい

犬の歯列
成犬の場合、上顎の歯/下顎の歯=切歯3/3+犬歯1/1+前臼歯4/4+後臼歯2/3×2=42本。子犬の乳歯は28本。

犬の歯は、乳歯の時には28本。永久歯が生えて成犬の歯になると42本あります。これらの中で、犬にとって物を噛み切るのにとても重要な役割をもつ歯は、上顎の第4前臼歯と下顎の第1後臼歯で、ハサミのように物を噛み切るので、これらの歯の状態を鋏状咬合と言います。そして、これらの歯を「裂肉歯または機能歯」とも呼びます。

犬の歯は人間のものとは違って、そのほとんどが、先が細く尖っていて薄い形状をしています。特に、裂肉歯は歯垢・歯石がつきやすいのに加えて、硬い物を噛んだ時に上顎の第4前臼歯がパキッと折れてしまうケースが少なくないので注意が必要です。

この歯の生え方や形状を、ある程度頭に入れておくということは、デンタルケアにとって大切なポイントとなります。何故なら、犬の場合、過剰歯や欠歯、乳歯遺残などが時に問題になることもあり、本来の口の中の状態を知っていれば、歯周病を始め、こうした病気や症状にも早めに対処してあげられることになりますから。

子犬は7ヶ月ぐらいになったら歯の本数などチェックを

子犬の歯は、通常、生後21日齢くらいから生え始め、生後2ヶ月齢ほどで生え揃います。その後、生後4ヶ月半くらいから永久歯が生え始め、生後7~8ヶ月齢くらいで生え変わりが完了。

この生え変わり完了間近の生後7ヶ月齢くらいの時に、歯の本数や形などをチェックしておくことをお勧めします。乳歯が抜けきらずに残ってしまう、いわゆる乳歯遺残は、歯並びが悪くなるということに加え、食べカスがたまりやすくなることから、歯垢・歯石のつきやすい環境を作ってしまい、結果的に歯周病にもなりやすくなってしまうので、できる限り早めに抜いてあげたほうがいいということです。

この乳歯遺残は小型犬に多く見られます。特に短頭種を代表とする小型犬は、歯が密集して生えている傾向にあります。これは、体のサイズを小型化しても、歯の大きさはそれに比例したほどには小さくなってはいないということ。また、小型犬では欠歯や埋状歯(歯がきちんと生えてこずに歯肉や顎骨に埋もれてしまっている状態)も多いそうです。

歯にも生えてくる順番がある

そのチェックをするためにも、歯がどんな順番で生えてくるかを知っていたら役に立つはず。実は、歯には生えてくる順番というのがあるのだそうです。これは、乳歯も永久歯も同じ。

■歯はこの順番で生えてくる
下顎の切歯→上顎の切歯→下顎の前・後臼歯→上顎の前・後臼歯→下顎の犬歯→上顎の犬歯

子犬と暮らす方は、是非チェックしてみてくださいね。

次のページでは、歯の構造などについて。
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