カフェ/六本木・麻布・白金のカフェ

PIETRE PREZIOSE ピエトレ・プレツィオーゼ (広尾)(3ページ目)

南イタリアのアマルフィやサレルノの香りがするバールが広尾に誕生。駒沢のエノテカバール・プリモディーネなどで活躍してきたバリスタ阿部圭介さんが、シモネリを駆使して南イタリアの味を届けてくれます。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド


CASA STELLAの夜

コーヒーピープル(メディアファクトリー)

コーヒーピープル(メディアファクトリー)

2011年夏、バリスタ阿部圭介さんは三軒茶屋の小さなフリッツァ(揚げピッツァ)屋さん「セ・モア」の屋上テラスに、週末の夜だけ営業するバール「カーサ・ステッラ」を開いた。

狭い階段をのぼると、美しく発光するエスプレッソマシンとお酒の瓶。簡素なベンチに、八月の夜風に吹かれて上機嫌で集まっている人々。

彼らの多くは、阿部さんが活躍する舞台のひとつ、「エノテカバール・プリモディーネ」の常連客だった。どこの街角であろうと、そこに阿部さんとおいしいエスプレッソとお酒さえ存在していれば、良い時間が過ごせると知っている人々だ。

ひとりで訪れた私も、自然に輪に加えていただいた。阿部さんとお客さまとの和気藹々のやりとりが、初めて訪れた人間もその場に抵抗なく溶け込ませてくれる。
2011年の週末だけ開いていた屋上バール。

2011年の週末だけ開いていた屋上バール。


バリスタにいちばん必要なのは、ひとを引きよせる磁力なのかもしれない。カーサ・ステッラはひととひとが紡いだ複数の縁から誕生したお店だし、メニューもお客さまのひとりがデザインしてくれたものだ。
「すべてお客さまのおかげ。僕はなにもしてないんです」と阿部さんは笑う。

デザインカプチーノ講座の講師もつとめる阿部さん

デザインカプチーノ講座の講師もつとめる阿部さん


大学で土木を専攻した彼は、一度は測量士の職に就いたものの、直接お客さまと接する仕事に惹かれて、当時イタリアから日本に上陸して間もない「セガフレード・ザネッティ」に入社。イタリア人上司から指導を受けたなかで、とりわけ記憶に刻まれたのは「エスプレッソマシンは恋人だと思って扱え」という言葉だった。

エスプレッソは料理まで含めたトータルな食文化。ナポリ生活の長かったある人物が…

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