クロアチア/クロアチアの観光

クロアチアの観光2018 おすすめスポットや基本情報(5ページ目)

小さな国だけれども豊かな自然と歴史的遺産が存在し、たくさんの魅力がぎっしりと詰まったクロアチア。『魔女の宅急便』や『紅の豚』の舞台とも噂され人気が高まっています。今回はクロアチア各地で見られる世界遺産、手つかずの豊かな自然、クロアチア料理、スポーツ観戦、文化、ハイキングやクルージング等のアクティビティなど、クロアチア旅行の楽しみ方のヒントをお伝えします。

小坂井 真美

執筆者:小坂井 真美

クロアチアガイド

クロアチアの複雑な歴史を知る

ドゥブロヴニクのケーブルカー

「アドリア海の真珠」と称えられる、美しいドゥブロブニクも内戦で大きな被害を受けた街のひとつ。内戦時にはスルジ山に登るケーブルカーも破壊されたが、現在は復旧し、運行している。

ローマ帝国、オスマン・トルコ帝国、ベネチア帝国と、数々の大国の狭間に揺れたクロアチアの歴史は複雑です。アドリア海沿いの町はローマ時代の遺跡が数多く残り、ベネチア帝国の支配を受けた影響から、どこかイタリアらしい雰囲気が漂う町並みが広がります。一方内陸部の都市では、オーストリアやハンガリーの影響が強く見られます。クロアチア旅行の前に少しだけでも、歴史を学んでから各都市をまわると、より深い理解とともに旅を楽しめるはずです。

長い歴史の中で、いくつもの大国に翻弄されてきたクロアチアは1991年にユーゴスラビア連邦共和国からの独立を宣言。内戦を経て1995年に内戦が終結してから20年近くが経ち、平和と美しい風景が戻ってきました。こんなに美しい平和なこの国で、つい20年程前に戦争が行なわれたなんて想像し難いことでしょう。
海沿いにひっそりと佇む、たくさんの銃弾の跡がある建物。内戦中、クロアチアの豊かな観光資源を嫉んで、海岸沿いの街は標的の的とされた。【クロアチアの観光】

海沿いにひっそりと佇む、たくさんの銃弾の跡がある建物。内戦中、クロアチアの豊かな観光資源を嫉んで、海岸沿いの街は標的の的とされた。

人気観光地であるドブロブニクは戦争中に街の7~8割が破壊され、楽園のように美しいプリトヴィッツェ国立公園にまでも戦時中は地雷が埋められていたという悲しい過去があります。現在のクロアチアの美しい風景や人々の人懐っこい笑顔の裏には、筆舌に尽くし難い悲しく辛い過去が影を潜めているのです。クロアチアの旅は楽しいだけで終わるのではなく、人間とは、民族とは、国とは、平和とは、本当に大切なものは……ときっと色々考えさせてくれる特別な旅となるはずです。

最後になりますが、クロアチアへお越しの際はできるだけたっぷりお休みをとってきてください。私も「限られた日数の中でできるだけたくさん見てまわりたい!」と張り切ってしまうのですが、クロアチア旅行の醍醐味は美しい大自然や歴史的な街並みとそこに暮らす人々の様子を肌で感じること! 長期のお休みがなかなか取りづらいと思いますが、忙しいスケジュールの間にも、せめて2日、3日はお気に入りの街でゆっくりできるようなスケジュールを立てると、また違ったクロアチアが見えてくるかもしれません。それでは、みなさまのクロアチア旅行が思い出いっぱいの素敵な旅となりますように……!

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