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1月は日経平均株価連動ファンドに資金流入

2014年1月のわが国のマーケットは、円高、株安、金利低下という流れでした。投資信託の運用成績は、日本株のベア型投資信託が好成績をあげた反面、ブル型投資信託の運用成績は散々だったようです。資金の流出・流入では、日経平均株価連動のインデックスファンドへの資金流入が目立ち、グロソブからの資金流出が加速しました。1月の投資信託の状況を見ることにしましょう。

深野 康彦

執筆者:深野 康彦

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1月の騰落率上位はベア型ファンドが独占

2014年1月の株式市場は、新興国ショックにより大幅に低下しました。2013年12月30日の終値と比較すると、日経平均株価の騰落率は-8.45%、TOPIX(東証株価指数)は同-6.27%でした。月間の日経平均株価の下落幅は1376円78銭と、2008年10月以来、5年3ヵ月振りの大きさでした。

2014年1月の全投資信託の月間騰落率は、日本株のベア型ファンドが上位を独占することになり、2013年の年間騰落率上位と間逆となっています。純資産総額10億円以上、DC(確定拠出年金)、SMA(ラップ口座)専用投信を除く全ファンドの騰落率1位は、SBIアセットマネジメントが運用する「SBI日本株トリプル・ブルベアオープン(SBI日本株トリプルベア)」で、27.78%の好成績となっています。

同ファンドは、日経平均株価の下落率の概ね3倍の運用成果を目指します。日経平均株価の先物取引を活用することにより、日経平均株価が下落すればするほど高収益を確保できる仕組みとなっています。

騰落率の上位3位までが、日本株を投資対象とするベア型ファンドとなっていますが、4位には中国株を投資対象とするベア型ファンド、T&Dアセットマネジメントが運用する「T&Dダブルブル・ベア・シリーズ3(中国・ダブルベア3)」が入っています。

同ファンドは、ハンセン中国企業株指数(H株指数)」の下落率の概ね2倍の運用成果を目指します。中国株も2014年1月にシャドーバンキング(理財商品)で初のデォルト(債務不履行)懸念があったことなどから株価が売られたようです。

ブル・ベア型を除くと、野村アセットマネジメントが運用する「ワールド・ゲノムテクノロジー・オープンAコース」が騰落率10.93%になります。2014年1月は世界的にバイオテクノロジー企業の株価が堅調であったことに加え、為替をヘッジしていることから円高の影響を受けなかったことが要因と考えられます。

グロソブの資金流出再加速

一方2014年1月の公募株式投資信託の資金の流出・流入をみると、日本の株式市場に強気の見方をしている投資家が多いと推測されます。突出して資金流入がある投資信託があるわけではありませんが、資金流入の上位15本の中に日経平均株価に連動するインデックスファンドが4本も入っているからです。

4本の資金流入額を合計すると935億円。資金流入が最も多かった野村アセットマネジメントが運用する「ドイチェ高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)米ドルコース(毎月分配型)」の資金流入額が617億円。4本に分散されているとは言え、1.5倍もの資金流入となっています。加えて、野村アセットマネジメントが運用する「野村ハイパーブル・ベア3(日本ハイパーブル3)」にも336億円の資金が流入しています。

資金流入は日本株ファンドが目立ちましたが、資金流出は国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の452億円が際立っています。これまでも資金流出は続いていたのですが、流出額は減少傾向に推移していました。資金流入に転じる期待もあったのですが、2014年1月の決算期から1万口当たりの分配金を35円から20円に減額したことが響いたようです。

多額の資金流出は一過性なのか長期化するかはわかりませんが、長期化すれば純資産総額トップの座を他のファンドに譲る可能性は高いと言えそうです。

その他、資金流出ファンドでは、ブル・ベア型ファンドのマネーポートフォリオが上位15本の内2本あります。ブル・ベア型ファンドには、資金を一時的に非難させておく「マネーポートフォリオ」が併設されているケースが多く、その待避資金が日本株の大幅下落を確認したことから、ブル型ファンドに乗り換えた(スイッチング)と考えられます。

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