入ってきたお金を使い切ってしまう、パーキンソンの法則

パーキンソンの法則とは、イギリスの政治学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンが、「役人の数は仕事の量とは関係なく増大する」と英国の官僚主義を観察したことが由来です。

給料日前にお金が残らない

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現代では「仕事量は与えられた時間を使い切るまで膨張する」(第一法則)、「支出は収入の額と一致するまで増大する」(第二法則)で有名です。あるいはコンピュータの世界でも「データは与えられた記憶容量を埋め尽くすまで増大する」などのバリエーションがあります。

いずれにせよ、「人は資源を使い切る傾向がある」という法則を表現しているのが「パーキンソンの法則」です。これはお金でも同じで、「稼いだお金は全部使う」「収入に応じて支出も増える」という人は、「パーキンソン症候群」と言いかえることができそうです。(病気のパーキンソン病のことではありません)

この、収入をすべて使いきってしまう人の傾向としては3つあります。

ひとつは、「今と同じ収入が今後も続くはず」という、根拠のない過信があること。高額所得者が陥りがちな傾向ですが、「先月も100万円入ってきたし、今月も100万入ってきた。だから来月も再来月も100万円ずつ入ってくる」と思い込み、気が大きくなって高コストな習慣になってしまうことがあります。

2つ目として、自分がどこへ重点的にお金をかけるかの軸がないことも要因として挙げられます。軸がないから満遍なくお金を使い、それが浪費に拍車をかけます。

ではなぜ軸がないかというと、プライドが高いからです。そのため、人の目に触れやすいものや、自尊心を満足させてくれるものにお金を使いがちです。飲食費、被服費、住居費の割合が高いのもこのタイプです。だから、年収が1000万円あっても、貯金はほとんどない、ということが起こります。

3つ目は、「あるものは食べ尽くす」という動物が持っている本能を、理性で抑えられないことです。草食動物を見ればわかるとおり、草原のエサ(草)がなくなるまで食べ、食べ尽くしたら飢えるか別の場所に移動します。

彼らには、「これは小さな芽だから食べないで育つまで待とう」「食べ尽くすと将来飢えてしまうから残しておこう」という自制心はありせん。そこに生えていて食べられるなら全部食べます。(もちろん例外はあり、たとえばネコがよくエサを食べ残すのも、飢えに備える本能だと言われています)

人間は理性があるため、安定的に食糧を確保したり、お金であれば全部使いきらないで将来の備えとします。

そんな「使い切ったら将来困るかも」という想像や、「少しは貯めておこう」という自制が効かない人が、一定の割合で存在するようです。たとえば山や砂漠で遭難したとき、手持ちの水は少しずつ飲まないと、あとで苦しくなるとわかりますが、一気に飲んでしまうような人です。

ただし、20代のうちは貯金などせず、すべてを自己投資(人と会う、本を読む、旅をする、多種多様な経験をする)に充てるくらいで丁度よいと私は考えています。

とはいえ、2つ目の原因のように、投下した以上の効用が得られない、ただの自己満足で終わるという使い方をしていたとしたら、それはただの浪費ということになってしまうので、注意が必要です。


(参考)
「なぜビニール傘を3本以上持っている人は貧しいのか?」(ぶんか社)
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