はじめに

サラリーマンが自分の主張をするにはプレゼンなどを行うと思います。専門職の場合、自分の主張をするときは論文を書きます。今回は、うっかり喋った一言から、論文のコンクールに参加することになってしまったお話です。

はじまりは一言

私は2010年に大学院修士課程を修了したのですが、その後も、私は数か月に一回の割合で、指導教授の研究室にお邪魔をしております。指導教授と、法学博士の兄弟子と私の三人でゼミと称するものを行うためです。そこで、私がある懸賞論文の話をしました。

その懸賞論文というのは、日本行政書士会連合会が行政書士制度60周年を祝して実施する記念懸賞論文のことでした。行政書士だけでなく、広く一般人も応募できるものでした。

大学院の研究生活を通じて、法律雑誌に掲載されている優れた論文の原稿料が微々たることを知って驚いた私は、対比の意味を込めて話題にあげるつもりだったのです。

この懸賞記念論文は、最優秀賞は50万円、優秀賞は30万円など、賞金が多かったのです。そこで、「法律の論文を書いて、これくらいの賞金をもらえることってあまりないですよねえ」と話題に出しました。

思わぬ一言

すると、指導教授が「じゃ、山本君の受賞記念のパーティ会場を予約しなきゃ」と仰るではありませんか。そんな言葉が返ってくるとは思ってもいなかったので、愕然とします。

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本とファイルに囲まれて苦悶。これが私の論文執筆のスタイルです。

指導教授の専門は民法、従って私も専門は民法です。一方で、行政書士の仕事は、行政法の分野が中心となります。ですから、当然、論文も行政法に関するものになるはずです。法領域が違うのです。一般の人から見れば法律だから同じでしょと思うかもしれませんが、サッカーに例えるならば、ディフェンダーとフォワード、野球ならば、内野手と外野手くらいの違いはあるかもしれません。

「これは困った。うかつな一言だった」と、思いました。指導教授から受けた論文指導の成果が、ある意味試されてしまうのです。それも、自分が専門としない法領域の論文で。

少なくとも、佳作以上で、入選しなければならない。そのためにはどうしたらいいか。いつものように、帰りの武蔵野線で苦悩しながら、論文のシミュレーションを繰り返していました。