地中熱の用途と利用状況

地中熱は、日本国内では主に住宅・事務所・公共施設などでの冷暖房・給湯や道路の融雪に使われています。その他にも工場、学校、店舗、農業施設(温室)などに幅広く使われています。
【図2】平成21年undefined国内でのヒートポンプを用いた地中熱の利用用途(出典:環境省)

【図3】平成21年 国内でのヒートポンプを用いた地中熱の利用用途(出典:環境省)

平成22年の環境省のパンフレットによると、平成21年までの地中熱利用のヒートポンプの設置件数(累計)は国内で580件、その中で住宅での利用は47%を占め、次いで事務所9%、公共施設6%、道路融雪6%と続きます(【図3】参照)。海外より設置が遅れているものの、国内では近年急速に設置件数が伸びており、翌年の平成22年では累計990件となっています。

地中熱利用のコスト

気になるコストですが、地中熱を利用する場合地中深くまで孔を掘る必要があり、現状では130m2程度の住宅で設置費用(=イニシャルコスト)は350万円~400万円程度かかるということでした。このように設置費用は高くなりますが、一端設置してしまえばその後の運転資金(=ランニングコスト)は抑えられる見込みで、環境省の試算によれば「暖房+給湯」のランニングコストは約50%減、暖房のランニングコストは約30%減になるとのことです。

今後の課題

今後住宅で地中熱利用が爆発的に広まっていくためには、まずは地中熱ヒートポンプの設備設置費用が安くなることが肝心かなめと言えるでしょう。諸外国に比べ、日本では地中熱利用はまだまだ少なく、これから公共建築物や道路融雪など大型施設で利用件数が伸びてくれば、住宅用の設備設置費用ももう少しコストダウンしてくるのではないかと考えられています。

CO2排出量を抑え、ヒートアイランド現象の緩和に

まだまだ課題を抱えるものの、日本中のどこでもいつでも利用可能な「地中熱」は、これから有望な再生可能エネルギーの一つと言えます。地中熱を利用すると、地中と外気の温度差が利用できるため効率的な運転ができ、大きな節電、省エネ効果があり、CO2の排出を抑えます。また、空気を熱源とするエアコンの冷房とは異なり、外気に熱を放出しないのでヒートアイランド現象の緩和にもつながります。

【参考サイト】
地中熱利用にあたってのガイドライン(環境省)
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