資源に限りがあり輸入に頼らざるを得ない石油などの化石燃料に代わり、今注目されている「再生可能エネルギー」ですが、おなじみの「太陽光」「太陽熱」「風力」のほかに「水力」「バイオマス」「地熱」「地中熱」などもあります。今回はこの中の「地中熱」に着目します。

「地熱」と「地中熱」の違い

ところで「地熱」と「地中熱」はどこが違うのでしょうか。名前は似ていますが、元となる熱源や使い方が異なります。
【図1】「地熱」と「地中熱」の違い 概念図

【図1】「地熱」と「地中熱」の違い 概念図

「地熱」は火山の地下深くにあるマグマの熱エネルギーを利用して地上の発電所で電気に変えて使います。一方「地中熱」は地下数メートル~200メートルまでの地中の熱をそのまま熱として、電気に変えずに利用するものです。地熱は地球の深部からの熱で、地中熱は、太陽が地に降り注いだ熱が元になっています。

地中熱エネルギーの特徴

地下数メートル~200メートルくらいの深さの地中の温度は一年を通して十数度に保たれ、それはだいたいその土地の平均気温程度といわれています。例えば夏は平均30℃、冬は平均0℃、年間の平均気温が15℃の地域だとしたら、地中の温度は季節を問わず15℃をキープしているというイメージです。

従って、夏場は地中の方が温度が低く、地中熱を冷房の熱源として使えます。反対に冬場は外気温より地中熱の方が高いので、暖房や融雪の熱源として使用できます。

ヒートポンプを使って熱を移動する

では具体的にどのように地中熱を住宅の冷暖房に利用するのかというと、まず家のそばの地中に穴を掘ります。そこに採熱管を埋設し、不凍液を循環させ、地上に設置したヒートポンプに接続します。不凍液の運んできた熱エネルギーをヒートポンプ内で移動させ、室内の冷暖房や床暖房の熱源として使用します。
【図2】地中熱利用方式(クローズドループ方式)の概要図。地中熱利用ヒートポンプは地下水を揚水しないで地盤と熱のやり取りをするクローズドループ方式と、地下水を利用するオープンループ式がある。後者は揚水制限でできない地域もある(出典:環境省)。

【図2】地中熱利用方式(クローズドループ方式)の概要図(出典:環境省)。

地中熱利用ヒートポンプは地下水を揚水しないで地盤と熱のやり取りをするクローズドループ方式と、地下水を利用するオープンループ式があります。【図2】はクローズドループ方式の概要図。オープンルーフ式は地下水の揚水制限でできない地域もあります。

ヒートポンプシステムは家庭のエアコンや冷蔵庫で一般的に使われている技術です。この地中熱のヒートポンプシステムも基本的に同じ技術といえます。

次のページで地中熱の用途と利用状況、気になるコスト、課題などを見ていきます。