ワインディングロードと“仲良し”なクルマ

ルノールーテシアR.S.

ローンチコントロールも備え、0-100km/h加速は旧型より0.2秒速い6.7秒となる

ルノールーテシアR.S.

200ps/240Nmの1.6リッター直噴ターボエンジンを搭載。可変バルブタイミング機構やダイヤモンドライクカーボンコートを施した低摩擦カムシャフトタペットなどを採用

ベースモデルがそうくれば、がぜん、R.S.への期待も高まるというもの。

新型R.S.では、旧型の2リッター自然吸気に替えて、1.6リッターの直噴ターボエンジンとした。最高出力は200psと変わらないが、最大トルクはなんと25Nm増の240Nmと一割増し。しかも、1750rpmという非常に低い領域から発せられる。

そして、従来までの3ペダルMT、ではなく、RSモデルとしては初となるパドルシフター付き6速デュアル・クラッチ・システムを組み合わせた。

今回のルーテシアRSでは、フロントアクスル構造こそ変えなかったものの、軽量&高剛性化に加えて、ラリーフィールドで培った「ハイドロリック・コンプレッション・コントロール」ダンピングシステムをフロントサスに採用するなど、ブレーキシステムともども、R.S.の名にふさわしいハイレベルなチューニングが施されている。ブレーキちょんがけで旋回時の安定性と速度を上げるR.S.デフももちろん装備。さらに、走行モード(ノーマル・スポーツ・レース)選択システムであるR.S.ドライブも備わった。

アシ回りのセットはシャシー・スポール(17インチのタイヤ&ホイール)とシャシー・カップ(18インチ)の2種類があり、後者はよりスパルタンでサーキット向けのチューニングだ。
ルノールーテシアR.S.

ダークカーボン色を基調とし、随所にオレンジを配したスポーティなインテリア。前後シートにもオレンジのステッチが入る

ルノールーテシアR.S.

レースのノウハウを取り入れ、サポート性と快適性を両立させたスポーツシートを装着

エクステリアにももちろん、ルノー・スポールによって手が加えられている。F1のフロントウィングを模したエアロバンパーや、ダイナミックなフォルムをいっそう戦闘的にみせるリアルーフスポイラー、そしてツインエグゾーストが光るアンダーディフューザーなど、エアロダイナミクス効果を向上させるツボを押さえたドレスアップが施された。

インテリアも、スペシャル。スポーツシートに専用ステアリングホイール、アルミニウムペダル、そしてオレンジ色のアクセントフィニッシュなど、同じ基本デザインながらひとめでノーマルとは違うと分かる雰囲気に仕立て上げられている。
ルノールーテシアR.S.

カップはスポールよりスプリングレートを前27%/後20%高め、ステアリングギア比も高められた

第一印象は、ワインディングロードと“仲良し”なクルマ。ワークスラリーチームのエンジニアたちが知恵を絞ったというツインダンパーシステムや電子制御“R.S.デフ”が、前輪駆動の、いわゆる“ホットハッチ”に、リアルスポーツカーのような運動性能を与えている。意のままの操縦性、とは正にこのこと。

ステアリング操作の、最初から最後まで、すべての手応えが両手両足に心地いい。基本的にフラットな姿勢を保つが、シロウトドライバーを不安に陥れない程度にはノーズの沈み込みがあり、そのうえほとんど完璧なリアの追従フィールもあって、その動きはもはや、“FRがどうだ、ミッドがどうだ”、といった駆動輪コンシャスな議論を超越している。

とりわけ、脱出時のトラクションのかかりが素晴らしい。もったいないほどのビッグトルクを上手に制御し、爆発的な加速をみせる。もちろん、デュアルクラッチによる変速はスムースそのもの。ダイレクト感には欠けるものの、豊かに過ぎるトルク特性を考えると、やはりこのシステムがベストだろう。
ルノールーテシアR.S.

日常での快適性とスポーツ性能を両立したというシャシー スポール

サーキット走行を楽しまない方には、より万能なシャシー・スポールをオススメしたい。スポールであっても、そのワインディング戦闘力は相当高いうえ、普段乗りの領域での心地よさは圧倒的に上である。
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