最新版お金が貯まる仕組み30/増税に負けない最新「貯まる仕組み」

増税時代の破綻しない住宅ローンの仕組み

家計を管理していく上で、固定支出となるローンはもっとも注意が必要です。ましてや、少なくとも1000万円台、多い人なら3000万円超もめずらしくない住宅ローンともなれば、それはもはや大きなリスクと背中合わせ。十分に考えられた購入プランが不可欠なのです。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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高額の長期ローンは先の読めない時代にはリスク高

消費税アップにともなう増税時代を迎えて、家計はより確かな管理が求められます。そういった中で、住宅購入は一般に大きなローンを抱えるため、結果的に購入リスクは増税前よりも高まるとも言え、より慎重な購入プランが求められるでしょう。

しかし、住宅購入を取り巻く環境は「買いを急がせる」方向に向かっています。相変わらずの低金利、来年10月に予定されている消費税10%へのアップ。そして、長期固定金利型の住宅ローン「フラット35」について、平成26年度末までの期間限定で、購入費用の全額借入が可能となったのです。つまり、それは頭金なしでも購入が可能ということを意味しています(ただし、利用には収入等の審査と金利の上乗せあり)。

ファイナンシャル・プランナーの八ツ井慶子さんも、こういった状況に安易に乗るのは危険だと警告します。

「住宅ローンは究極の先取り消費です。将来の安定した収入をあてにして買うわけですが、先が読みにくい時代にあって、35年という長期ローンを組むこと自体、ひとつのリスク。それが頭金なしでの購入ともなれば、相当なリスクを感じます。ましてや、自己資金を貯められない家計でありながら買うとなると、これは本当に危険と言わざるを得ません」

では、家計に与える住宅の購入リスクはどう防げばいいのでしょうか。考えられるリスクは、収入ダウンや教育費などによる他の支出の増加によって、住宅ローンが予想以上に家計負担となるケースです。したがって、事前の住宅資金をより多く用意し、借入額を小さくすることがリスク回避の基本となります。

一般に「頭金は物件価格の2割が目安」と言われていますが、問題は購入後にローンを払い続けられるかどうか。しかも、持ち家ですからローン以外に、固定資産税や管理費、修繕・リフォーム費用、駐車場代などのランニングコストが発生します。その額は一般的なファミリー物件で、マンションであれば年間30万~70万円、一戸建てなら20~40万円前後。住宅ローン以外にそれらが支出として上乗せされるわけです。それを踏まえた上で、支払い続けることができる範囲にローンを抑える。そこから逆算して、物件価格(+諸費用)を決めていくというプロセスが大切になるわけです。

また、先の購入リスクがさらに膨れれば、住宅そのものを手放さざるを得ない状況にもなりかねません。あるいは、転勤等で引っ越しを余儀なくされる可能性もゼロではないでしょう。

「そのためには住み替えしやすい住宅、売却や人に貸すなどして軌道修正しやすい住宅という見方での物件選びも求められる。そんな時代になっているとも言えるでしょう」

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教えてくれたのは……
八ツ井慶子さん

ファイナンシャル・プランナー。大学卒業後大手信用金庫に入庫。本当にお客様にとっていいものを勧められる立場になりたいとの思いから、個人相談が中心のファイナンシャル・プランナーとして独立。近著に『ムダづかい女子が幸せになる38のルール』(かんき出版)と『サラリーマン家庭は"増税破産"する! 』(角川oneテーマ21)がある。テレビ、新聞、雑誌などでも活躍中。All Aboutマネーのガイドを務める


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取材・文/清水京武  イラスト/モリナガ・ヨウ パネルデザイン/引間良基


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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