長期投資を途中で止めないこと
投資を始めたら、人はすぐに結果を求めます。損をしたら嘆き、儲けたら有頂天です。どんなスタートを切ろうとも、欲にかられ損失を怖れるビギナーは、偶然の経験から学んだ我流で、最終的には後悔する結果にたどりついてしまいます。成功を確実にするためには、最初から長期投資の信念を固めて、途中で止めないと決めることが大切です。
バフェットに見る長期投資の名言
世界一の投資家であるウオーレン・バフェットさんは、こう言っています。「たとえ10年間、証券取引所が閉鎖されても保有していたい企業を買いなさい」
10年後、20年後を見据えた投資をする。それがもっとも失敗しない鉄則なのですが、ほとんどの人にできないことでもあるのです。
長期投資が安全であるワケ
しかし、どうして長期投資は安全なのでしょうか?長い間に、平均してなだらかに資産が増えていくからでしょうか?
時間をかけるほどに、騰落率が上昇するのでしょうか?
いえいえ、そんなことはありません。
長期投資が報われるのは、数年に一度だけ訪れるビッグウェイブを確実に捉えることができるからです。
ビッグウェイブは数年に一度訪れる
たとえば、2012年11月からの6ヶ月間が、最近の日本株に訪れたビッグウェイブでした。実に、77パーセントの上昇です。年率に直せば、155パーセントの急騰でした。この6ヶ月間に、日本株に投資していなかった人は本当の恵みを受け取れていません。それ以前は、小泉内閣のとき、2005年8月から2006年1月までの5ヶ月間です。この期間の日経平均の上昇は、42パーセントで、年率に直せば101パーセントの急騰でした。
この10年間に日本株に投資をしていたとしたら、年率の平均収益率は5パーセントでしたが、もしこの2005年の5ヶ月間と2013年の6ヶ月間に株式市場から退場していたら(日本株を保有していなかったら)、結果は惨憺たるものでした。
同じようなことは、ニューヨーク株価ダウ平均においても、ドイツの株価DAXにおいてもまったく同様にいえます。表現を替えていえば、10年、20年の大きな成果も、ほんの数週間の急騰で作られるのです。
ビッグウェイブは予測できるのか?
10年の成果も数週間で決まるとは、まるで42.195キロのマラソンでも、最後の400メートルで順位が決まってしまうのと一緒です。しかし、マラソンであれば、コースや競技者から勝負所が予測できますが、株式市場では常に未知の中を走っていますから、まったく分かりません。ですから、株式市場から、一ヶ月たりとも離れていけないのです。
根拠の薄い憶測で、株式や投信を売ったり買ったりしないこと。雨の日も晴れの日も、暴落のときも暴騰のときも、いつも平常心でマーケットから離れないこと。
そうすれば、いつの日か、歴史的な株価収益率に見合う水準にまで、株価を押し上げてくれる恵みの風が必ず吹くのです。それを待てる人こそ、長期投資家の目指すモデルです。それが、長期投資が報われる本当の理由なのです。