着物・着付け/着物のコーディネート

帯次第でこんなに変わる着物の着こなし 付け下げ篇

よく着物1枚、帯3本と言われますが、これは同じ着物でも帯を変える事で雰囲気がガラリと変わり、着こなしの幅が広がるということですが、シンプルな付け下げですと帯の格によって礼装から街着まで着回す事ができます。

斉藤 房江

執筆者:斉藤 房江

着物・着付けガイド

付け下げとは?

付け下げは基本的には反物の状態で店頭に並んでおり、衽(おくみ)と身頃、衿などの縫い目で繋がらない柄付けですが、小紋とは違い柄が繰り返されず、上向きに表されています。

ただ、最近では豪華に見せるために、衽(おくみ)と身頃で繋がるよう柄付けされた「付け下げ訪問着」と呼ばれる、仕立て上がってしまうと見分けのつきにくいものも多く見かけるようになりました。

シンプルで季節に関係のない柄や色の付け下げは、合わせる帯次第で結婚式や卒入式へ参列出来る「礼装」から、パーティや舞台鑑賞などの「よそ行き着」、同窓会やもっと気楽なお出かけなどの「街着」まで、幅広く着こなすことが出来る着物です。

明るいグレーベージュ地に渋い金で短冊柄が配された、シックでモダンな付け下げを例に見て行きましょう。

礼装として

礼装1・結婚式参列

礼装1・結婚式参列

結婚式に参列する場合は、金銀の糸が織り込まれた錦織や唐織など格調高く重厚な礼装用の袋帯を合わせます。末広を挿せば尚、礼装度がアップします。バッグや草履などの小物は帯の格に準じます。伊達衿を入れればより華やか。主役達を立てながらも、お祝いの気持ちを込めて華やかに装いましょう。

礼装2・入卒式お母さん

礼装2・入卒式お母さん

卒入式に参列の場合は、主役はあくまでもお子さん。お母さんは豪華というよりは控えめに格調高い袋帯を合わせましょう。お子さんがいると何かと荷物が多いので、収納力の高いボストン型のバッグなど便利です。

よそ行き着として

よそ行き着・コンサートやパーティへ

よそ行き着・コンサートやパーティへ

クラシックコンサートや歌舞伎鑑賞へのお出かけ、お知り合いのお店のオープニングパーティなど、お洒落をしたい場合には金銀が軽めの礼装袋帯か洒落袋帯を合わせて。バッグはクラッチやお洋服用のパーティバッグ、ハンドバッグ等を合わせても素敵です。写真のコーディネートは葡萄唐草の洒落袋帯に、元々はブローチだった帯留めを合わせて「ワインバーのオープニングパーティ」のイメージで。

街着として

街着として・同窓会や友人との食事に

街着として・同窓会や友人との食事に

同窓会や友人との食事では軽めの洒落袋帯や名古屋帯を合わせて。染めの名古屋帯はカジュアルダウンに最適。ギャラリー巡りや美術館鑑賞など、気張らない、こなれたお洒落が似合うシチュエーションに。

付け下げと一言で言っても前述のように訪問着と変わらないゴージャスなものもありますが、シンプルで上品なものを1着誂えておけば、帯や小物の合わせ方によって様々なシーンで活躍してくれ、若い時からお歳を重ねても着こなす事が出来ます。また、お茶を習い始めても重宝するきものと言えましょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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