具体的な家計支出の見直し方法
その1 家計支出の見える化と不明金の把握まずは1年間の家計支出全体を“見える化”してみましょう。具体的には1年間の支出について、所得税・住民税や社会保険料、貯蓄額も含めすべて書き出してみることです。
額面収入=所得税・住民税+社会保険料+その他家計支出+貯蓄額 となっていれば、問題はありませんが、5世帯のうちのうち4世帯くらいの割合で 額面収入>所得税・住民税+社会保険料+家計支出+貯蓄額 となっているのが実態です。
事例としては、額面収入が500万円、所得税・住民税+社会保険料が80万円、家計支出が330万円、貯蓄額が60万円の場合、家計支出の総額+貯蓄額=80万円+330万円+60万円=470万円となり、本来は額面収入500万円と同額の500万円と同額になるはずですが、それよりも30万円少なくなっているケースです。
この差額=不明金はどこに行ったのでしょうか?
不明金は額面収入の5~10%あるケースがほとんどです。
皆さんの家計支出の不明金はいくらありましたか?
その2 家計支出の優先順位付け
家計支出の見える化を行うと、基本生活費、通信費、レジャー費、衣服費などそれぞれいくら位使っているか、具体的に再認識できます。
なかには“買い物でストレス発散!”という人もいるかもしれませんが、“タンスをみると着ていない服が何着もあります”という声をよく聞きます。マイホーム購入を機に家計支出の優先順位付けを行い、住宅ローンの返済や貯蓄に回せる項目がないかよく検討していましょう。
その3 生命保険の見直し
住宅ローンを借りるときは、団体信用生命保険という生命保険に加入を義務付けている金融機関が多いので、住宅ローンを借りると新しい生命保険に加入することになります。その結果、必要以上の死亡保険金に加入することになる可能性が高まります。団体信用生命保険の保険料はフラット35を除き、住宅ローンを借りる人への支払い負担がありませんが、既に加入している生命保険の支払保険料の負担を考えると、生命保険の見直しでその負担を減らすかどうかの検討は必須です。
家計支出の見直しの効果
仮に住宅ローンの借入について次のように検討していたとします。
借入金額3000万円、返済期間35年、適用金利2%(全期間固定金利)
元利均等返済、ボーナス返済なし
毎月の返済額9.9万円
ここで、家計支出の見直しにより毎月3万円捻出できたとします。
この3万円を現在検討中の住宅ローンの返済額9.9万円に充当すると毎月の返済額は9.9万円+3万円=12.9万円となります。そうすると、計算上は借入金額を3000万円から3895万円(約900万円増加)へ無理なく増加することが可能というわけです。
また、住宅ローンを増額しなくても、毎月3万円(年間36万円)追加で貯蓄できると、あとあとの家計が楽になる可能性が高まります。
家計支出の見直しはマイホーム購入の第1歩
マイホーム購入時に見直しを逃すと、何十年後の定年退職時まで根本的に見直す機会を逃すといっても過言でもありません。資金計画や住宅ローンの検討や住宅ローン減税などでどんなに得した!と思っても家計支出マネジメントができていないと家計は楽になりません。
マイホーム購入をこれから検討する人、現在検討している人、すでに購入した人も含め、必ず家計支出の見直しを行うようにしましょう。