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アベノミクス成長戦略の農業改革で注目の企業とは?(3ページ目)

アベノミクスの農業改革で恩恵を受けそうな企業はどこでしょうか? まずは種苗を生産している企業です。野菜の生産量が増えれば、種苗の販売も増えることでしょう。また、農業生産量が増えれば、農薬の消費も増えるでしょう。農業機械の販売も増えることでしょう。高齢化が進む日本の農業が元気を取り戻すことで、恩恵を受ける企業はいくつもありそうですね!

日根野 健

執筆者:日根野 健

公認会計士ガイド

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成長戦略 農業改革による注目企業とは?

農業改革は、2014年も大きなトピックスとなるでしょう。株式投資においても農業は大きなテーマになってくると思います。「大規模化による価格下落」と「高付加価値化による価格上昇」が同時に起きると見ています。

例えば、イオン<8267>の100%子会社であるイオンアグリ創造(株)では、日本各地で10ヘクタール以上の農場を運営しており、そこでとれた農作物をイオンで販売しています。イオンには、多くの農家から、自分の農地も活用してほしいという依頼が来ているそうです。このような形で、農業の大規模化と農産物の価格下落が起こっています。

逆に、中小零細農家が無農薬栽培により育てた農産物を、インターネットなどを利用して販売するという事例もよく眼にするようになりました。お米であれば、無農薬栽培された米は、通常の米の2~3倍の価格で販売されています。このように高付加価値化による価格上昇も起こっています。

少しずつでも着実に、日本の農業は変化しています。

日本における農業の規模は、わずか5兆円ほどの産業であり、日本のGDPの1%ほどです。しかし、規制緩和により自由度が高まることで、日本の農業が活発化することでしょう。

そのとき恩恵を受けるのは、どのような企業でしょうか?
種苗を生産・販売している会社、農機具を生産・販売している会社、農薬を生産・販売している会社などが考えられます。

種苗(しゅびょう)とは、農作物の種や苗のことです。農家で、種から苗を栽培していては手間がかかりますし、また強い品種の苗が育つとは限りません。そこで種苗の生産・販売を専門にする企業が必要とされます。

鎌倉投信の投資先でもあるベルグアース<1383>は、接ぎ木したトマト、キュウリなどの野菜苗を生産・販売しています。

サカタのタネ<1377>は、その名の通り、野菜や花などの種を開発・生産・販売しています。

カネコ種苗<1376>は、野菜や牧草などの種子のほか、農薬の取扱いもあります。
日本国内における農業生産量が増えれば、これらの企業は恩恵を受けるはずです。
種子・種苗業界

【図3 種子・種苗業界】




農薬を取り扱う企業も、農業生産量の増加とともにマーケットが拡大することでしょう。日本農薬<4997>です。農薬専業で最大級の規模で、海外に対する売上割合も40%ほどと高い水準です。農薬は、農業の大規模化のためには必須のものといえるでしょう。

しかし、逆の動きとして、減農薬をうたった高付加価値農産物を取り扱う企業も注目されるはずです。残念ながら、らでぃっしゅぼーやはドコモに買収されて上場廃止となってしまいましたが、オイシックス<3182>は、2013年3月に新規上場を果たしました。農薬や添加物の使用を抑えた青果物や加工食品などをネット販売する企業です。

農業の二極化を象徴する2社と言えるでしょう。
日本農薬のバリューチャー

【図4 日本農薬のバリューチャート】



農業機械を販売する企業にも影響は出てくるでしょう。クボタ<6326>や井関農機<6310>などです。特にクボタは、海外売上割合が50%を超えており、国内の農業改革の恩恵を受けるだけでなく、世界的な人口増加と食料不足の恩恵も受けるものと考えられます。世界的にみれば、農業はまだまだ成長産業です。


クボタのバリューチャート

【図5 クボタのバリューチャート】


TPPに参加して、農産物の関税が低下・撤廃されるとすれば、海外との間で農産物を取引する量も増えるでしょう。とすると、農産物や食料品の取扱いの多い商社も注目されるかもしれません。丸紅<8002>です。

このようにしてみると、2013年は大胆な金融緩和は成功。機動的な財政政策は、支出の内容が成長戦略にあまりつながらない支出が多いことから、一時的な景気浮揚に効果があるとしても長期で日本経済を復活させるには力不足という内容でした。

最後に成長戦略のなかでも、2014年にクローズアップされるであろうテーマとして、農業を取り上げました。

現時点におけるアベノミクスの目玉政策である農業改革。

2014年の動向を見守りましょう!
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