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今宮戎神社の「十日戎」 2014(2ページ目)

大阪の冬の風物詩、今宮戎神社「十日戎(えびす)」が1月9日・10日・11日に行われます。商人の町・大阪を代表する年中行事で、商売繁盛を願う参拝者が毎年100万人以上訪れ、芸能人や福娘らが練り歩く宝恵駕籠(ほえかご)行列にも沿道にはその姿をひと目見ようと多くの人々が集まります。

シカマ アキ

執筆者:シカマ アキ

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十日戎に欠かせない縁起物

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小ザサにつるす縁起物。さまざまな縁起物は野の幸・山の幸・海の幸を象徴しています 

十日戎に参拝する際、小ザサにつるした縁起物は欠かせません。

まず、この笹は孟宗竹の枝で、竹は古くから文学、芸術、民具など日本人の生活と深く関わってきました。特に、竹は清浄さや根強さ、四季を通じて青々とした葉をつけ、その強い生命力が神々のご神徳によって命が宿り、成長発展する姿を象徴するといわれます。

そして、神社から授与される小宝も、十日戎を象徴しています。小宝は「吉兆」(きっちょう)とも呼ばれ、銭叺(ぜにかます)・銭袋・末広・小判・丁銀・烏帽子・臼・小槌・米俵・鯛などの縁起物を束ね、野の幸・山の幸・海の幸を象徴しています。かつての市で物々交換した信仰が受け伝わったもので、この吉兆を笹につけた縁起物を参拝者が買って帰るわけです。

なお、9日は宵戎、10日は本戎、11日は残戎と呼ばれます。

大阪・道頓堀「戎橋」の由来は十日戎

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大阪・道頓堀の戎橋では宝恵駕籠行列の際、伝統の「舞台」が復刻され、歌舞伎役者や文楽関係者らが挨拶します

大阪・道頓堀にかかる戎橋周辺は、グリコのネオン看板やかに道楽などがあり、大阪では定番の人気スポット。実はこの戎橋も十日戎に由来することは意外と知られていません。

戎橋は、今宮戎神社への参詣の道筋に架けられたことから橋名が付けられました。特に江戸時代、多くの人々が戎橋を渡って今宮戎神社の十日戎に参拝したことからとてもにぎわったそうです。

また、十日戎に合わせた「献鯛行事」も有名です。大阪では毎年1月9日の宵戎に、雑喉場(ざこば)魚市場(現在の大阪木津市場)が戎にゆかりの深い大鯛(雌雄一対)を今宮戎神社に奉献し、大漁と商売繁盛を祈願するのが古くからの伝統。かつて明治から昭和前期にかけ、とても美しく飾られた献鯛行列が盛大に繰り広げられました。現在も、縁起のいい鯛の初セリが今宮戎神社境内で行われます。


「宝恵駕籠行列」2014年のスケジュールと参加者

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宝恵駕籠行列の出発式。芸妓をのせた宝恵かごを駕籠上げします

宝恵駕籠行列は大阪ミナミの新春を彩る一大行事。地元の商店街なども参加し、宝恵駕籠20台、総勢500名の大行列でにぎわいます。

江戸時代に始まった宝恵駕籠行列は、十日戎の祭礼。かつては紅白の布で飾られた駕籠に盛装した芸者たちが乗り込んで幇間が取り囲んで行列するのが通例でしたが、現在は昔の様式を残しながら、話題の芸能人やプロ野球選手、福娘らが乗り込みます。道頓堀の戎橋周辺から今宮戎神社まで「ホエカゴホエカゴ」の掛け声に合わせた行列を一目見ようと多くの人々が沿道に集まります。

2014年の宝恵駕籠行列は、道頓堀のどんぼりリバーウォークで9時40分から出発式と船乗り込みがあります。出発前に芸妓をのせた宝恵かごを駕籠上げするのも習慣。そして、10時20分に旧・南地大和屋 前(HOTEL VISTAGRAND 前)を多くの福を呼ぶ縁起物の「お多福」が先頭に出発し、角座や中座くいだおれ、松竹座、戎橋南詰、旧・千日前国際劇場、吉本会館などを経て、12時10分ごろに今宮戎神社に到着します。帰路は12時40分に今宮戎神社を出発します。

2014年に宝恵駕籠に乗るのは、上方落語協会会長の桂文枝さん、日本舞踊上方舞山村流家元の山村若さん、NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」ヒロインの妹役・高畑充希さん、歌手の嘉門達夫さんをはじめ、国立文楽劇場の文楽人形など。その他の人々も以下のホームページから見ることができます。

宝恵駕籠に乗られる方々(今宮戎神社)
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