あなたはどちらを?
あなたはベータで満足する人ですか?それともアルファを狙いたい人ですか?ベータで満足できるならアルファを捨ててインデックスファンドやETFに賭ければ良いと思いますし、ベータで満足できないなら、アクテイブファンドを選ぶべきです。
あるいは、株価上昇時にはアクテイブで、下落時にはインデックスで、という戦略的な使い分けもありえるでしょう。
いずれにしても、コストの安い投資信託を探せ!と叫ぶ前に、自分の投資スタイルを知って、自分の方針を打ち立てる方が賢明です。
もしアルファを期待するなら、手数料を払うことも重要な投資プロセスのひとつです。手数料については、投資家が得ることができるアルファに対する確実なコストであるという点を、再認識してください。
そして、アルファとベータの区別を常に意識し、本来安いはずのベータに高い手数料を払わないようにするという意識が求められます。ただただ「安いコストを!」という願いだけでは、あなたの目標を達成することができないかもしれません。
現実のアルファ値、ベータ値
実際のアクテイブ投信とインデックスファンドの間で、アルファとベータの数値の比較を行ってみます。成績の良いアクテイブファンドの代表として、JPモルガンのJFザ・ジャパンを取り上げます。このファンドの2010年2月末時点の5年アルファは1.02%で、5年ベータは1.21%です。
一方で、パッシブの代表として、三菱UFJのトピックスオープンを取り上げます。
こちらの同時期の5年アルファは0.05%で、5年ベータは0.99%です。
アルファは、アクテイブファンドでは大きくインデックスファンドはほぼゼロです。ベータは、アクテイブファンドは1より大きく、インデックスファンドは1に限りなく近いのです。ちなみに、JFザ・ジャパンの設定来(1999年12月15日)の騰落率は80.6%で、TOPIXを117%も上回っています。
アルファもベータも大きいアクテイブファンドが超過リターンをかせいでいて、だから高いコストを払う価値があるということを、ご理解いただけましたでしょうか?逆に言えば、いくらアクテイブとうたっていてもアルファの低いファンドには、コストを払う価値がないということです。
投資におけるコストの問題は、かようにファンド品質との天秤にかけて議論されるべきだと思います。その意味で、アルファとベータは貴重な判断材料なのです。
※なお、ベータについては、モーニングスター社の「ファンド詳細>パフォーマンス情報」に掲載されています。